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ラタナー・イーウィチッタクン医師

2006年5月17日(水) 13時02分(タイ時間)
 1971年バンコク生まれ。旋盤工の父と専業主婦の母、そして7人兄弟の9人家族。ラタナー医師は6番目。チュラロンコン大学医学部歯科卒業後、中部サラブリ県内の国立病院を経て、2004年から東部チョンブリ県の私立パヤタイ・シーラーチャー病院に勤務(木曜日〜日曜日)。専門は小児歯科。


—現在に至るまで

 旋盤工の父は最終学歴が小学校6年生、母は4年生です。その両親が7人の子供たち全員を大学まで通わせてくれたことに感謝しています。

 国立病院で働き始めた頃、現場での小児歯科治療のぞんざいさに衝撃を受けました。医師は乳歯の虫歯治療を抜歯で簡単に済ませていたのです。子供は歯医者を怖がって泣いたり暴れたりするので治療に手こずり、医師から敬遠されていました。また、子供の歯の健康管理に無頓着な親が多い現状にも悩まされました。私が小児歯科に心血を注ぐ決心をしたのはこの時です。

 現在の病院に移った理由は、仕事と母の介護を両立させるため。それまでの病院では、先輩医師は皆自分のクリニック優先のパートタイマーで2−3時間しか病院におらず、私は仕事にかかりきりでした。母はもう74歳。今の病院なら介護の時間を十分に取らせてもらえる上に、職場の雰囲気も良いので満足しています。


—パヤタイ・シーラーチャー病院小児歯科の特徴は

 治療にあたり、私達は患者のメンタルケアを最優先にしています。いきなり怖がる子供を押さえつけて治療するのではなく、まずは恐怖を取り除いてリラックスさせること。治療に必要な、医師と患者間の信頼関係が成立してから治療を始めるので、他の病院よりは多少時間がかかることもあります。泣き叫ぶ子供を相手に大切なのは、理性を失わないこと。泣いて嫌がるのは自然な反応ですから。医者がうんざりして感情的になれば、子供にもそれが伝わって悪循環になると大学で習ったんですよ。

 勿論、時間がかかっても治療費には影響しません。大人しくすぐに治療を始める患者と、治療前の話し合いの時間がかかった患者と、治療内容が同じであれば料金も同額です。前もって治療費を知っておきたい保護者には料金表もお見せしています。他の大病院と比較すると、若干安いのではないでしょうか。

 治療時には、症状や治療内容、今後の対策を説明するために、保護者に同席してもらうこともあります。乳歯は永久歯が生えてくるまで、なくてはならない大切な歯。虫歯になったからといって抜歯しては噛み合わせに問題が起きてしまいます。また、虫歯や歯槽膿漏はおやつや食事にも原因があるのですが、真剣に聴く保護者もいれば無関心な保護者もいます。

 治療中は患者の目や呼吸、表情、手足など全身の動きに注意します。言葉が発せられない分、身体の動きで患者の状態を察しなければいけないからです。

 私達は今後も、患者と医者、そして保護者間の信頼関係を大切にし、子供にやさしい歯医者として治療を行っていきます。

—ありがとうございました
《newsclip》