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スワタナー・アーリーパック医師

2006年5月26日(金) 15時41分(タイ時間)

 チュラロンコン大学名誉教授。設立107年の歴史を誇るセント・ルイス病院のチーフドクターとして多忙な日々を送る傍ら、研究、執筆活動にも幅広く取り組んでいる。


—古都アユタヤ出身

 家族で医者になったのは長女の私だけ。祖父母にも医者はいませんでした。アユタヤでは中学3年生まで過ごしましたが、立派な恩師と教育熱心な両親にめぐまれ、成績は常にトップクラスでした。その後バンコクのトリアムウドム校を経て、チュラロンコン大学医学部に進みました。


—精神科医になった理由

 医者になったのは両親の勧めがあったからです。社会的地位が高く人々から信頼される職業ですし、特に母は「高い功徳が積めるから」と。チュラロンコン大学では多くの精神科の先生から教えを受けました。先生方の患者へのいたわりの気持ちがいつも感じられ、時間をかけて治療を行うという精神科医の仕事に感銘を受けたのです。患者は心に悲しみを湛えており、中にはなぜ自分が入院しなければならないのかわからず、ひたすら自殺を試みる人もいます。その都度、私達は原因を究明し、患者の心から学んでいかねばなりません。


—セント・ルイス病院での役割

 セント・ルイス病院には現在、常勤50人、非常勤300人の医師がおり、その全体を管理しています。病床数は400、1日に1,200人の患者を診察することが可能です。看護学校を併設しているので看護士もたくさんいます。患者は高齢者が多いですね。主な病気は、糖尿病、心臓疾患、骨粗しょう症、痴呆などです。外国人患者は全体の1割とあまり多くありません。


—セント・ルイス病院の特長は

 常勤医の多くは外国で研修を積んだ専門医で、非常勤の中にも著名な専門医の方が大勢いらっしゃいます。レーザー医療機器の保有台数は東南アジア一。X線やその他の手術機器も最新のものをそろえています。ISO(国際標準化機構)や各種環境基準、HA(Hospital Application)もクリアしています。


—日本人の患者について

 日本の方も診察を受けにみえますが、今はまだ日本語通訳がいないので言葉の壁が問題になる事があります。英語を話せる方は問題ないのですが、日本、中国、台湾の方は母国語のみということが多いので、来年には通訳を備えた外国人専用窓口を設置する予定です。


—精神科医の立場から、子供たちの凶悪犯罪について

 政府がもっと真剣に、継続的に取り組むべき問題だと思います。問題の表面的な部分に対応するだけでは、本当の解決にはなりません。大家族が普通だった昔とは違い、現在は核家族化が進み、両親が仕事に忙殺される家庭が増えてきました。面倒を見てくれる大人がいなくなり、寂しさを抱えた子供たちが凶悪犯罪に走っているわけです。
《newsclip》