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「憲法外のカリスマ」 首相発言で緊張高まる

2006年7月3日(月) 00時56分(タイ時間)
【タイ】「憲法の外にいるカリスマ的な人物が騒乱を起こそうとしている」。

 タクシン首相が29日、幹部官僚を集めた会合で放った言葉が波紋を呼んでいる。この「人物」が、プミポン国王側近のプレム・ティンスラーノン枢密院議長(元首相、85)を指すとみられるためだ。一部には「首相による間接的な王室攻撃」という見方も浮上、事態はぎりぎりの神経戦の様相を呈し始めた。

 首相は集まった官僚に民主主義、憲法の原則維持を訴え、「(国王による非常時の暫定首相任命を定めた)憲法7条で首相になりたがっている人がいる。国王陛下が7条は民主主義ではないとおっしゃているのに、まだもめごとを起こそうとする」などと敵対勢力の存在を指摘。ウィサヌ前副首相、バワンサク前内閣秘書官長の相次ぐ辞任についても触れ、敵対勢力が2人に圧力をかけたと話した。

 バワンサク氏はこの件について2日、辞任後、プレム枢密院議長に会ったことを認めたが、辞任とは直接関係ないと主張した。

 野党、上院の一部は首相に発言の真意と具体的な名前を明かすよう要求している。ただし問題が問題だけに、追求は及び腰だ。与党幹部はプレム議長を指しているわけでないと火消しに躍起。首相自身はその後、この問題について口を閉ざしている。

 プレム議長は80年代に8年間首相を務め、政治安定、民主化移行に貢献した。現在は国王の代理人的立場で、8月の誕生日には国軍最高司令官と陸海空の3軍司令官ら軍トップが同議長の自宅を祝賀に訪れる慣わしになっている。

プレム枢密院議長
《newsclip》