RSS

異例の保釈拒否、司法の真意は

2006年7月26日(水) 11時39分(タイ時間)
【タイ】タイ選挙委員会の委員3人が選挙法違反で実刑判決を受け、10月15日の下院やり直し選挙は新たに選出される5人の選挙委が管理することになった。これが選挙結果を左右するかどうかはともかく、今後に控える裁判の前哨戦という意味では、与党・愛国党(党首、タクシン首相)にとって不吉な兆しといえそうだ。

 タクシン首相は有料テレビ事業の元ビジネスパートナーの米国人事業家を横領などで訴えたが、1、2審とも無罪となり、逆に相手に虚偽の報告などで刑事裁判を起こされた。判決は9月にも出る見込みという。

 愛国党は、無効となった4月の下院選での選挙違反疑惑で、最大野党の民主党とともに憲法裁判所に起訴された。愛国党の容疑は物証が十分といわれ、政府の司法への影響力が減じた状態では、解党命令を受ける可能性もある。

 最高裁、憲法裁、最高行政裁は4月にプミポン国王から政局混乱の収拾を指示され、以降、ひとつのシナリオに沿って動いているようにみえる。選挙委への対応も、異例の辞任勧告に始まり、聞き入れられないとみるや、実刑判決を下した。殺人容疑者も簡単に保釈する国なのに、今回は保釈を拒否。警察大将で、タクシン首相に近い人物であるワサナー選挙委員長ら3人は刑務所で一夜を過ごすことになった。

 ここから司法の意思が読み取れるとすると、首相は厳しい戦いを迫られそうだ。

法廷を出るワサナー選挙委員長(中央、黄色いネクタイ)
《newsclip》