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シンの外資出資比率問題、他社にも飛び火?

2006年9月13日(水) 03時45分(タイ時間)
【タイ】シンガポール政府の投資会社テマセク・ホールディングスがタクシン・タイ首相財閥の持ち株会社シン・コーポレーションの買収に際し、タイ人の名義人と複数の持ち株会社を使い外資出資規制を迂(う)回したとされる問題で、同様の手法でタイに進出した外資企業が、当局の調査に懸念を募らせている。

 タイの外国人事業法で外資出資比率の上限が49%以下とされている業種では、外資が、タイ側の名義人を軸に設立した持ち株会社に優先株を渡す形で規制を迂回し、企業の経営権を握る手法が広く行われている。タイ商務省はこれまで、投資誘致を優先し、こうした手法を黙認してきたが、タクシン首相と反首相派の闘争の中で、シンの問題がクローズアップされ、調査に乗り出さざるを得ない状況になった。

 シンのケースが違法と判断されれば、ノルウェー通信最大手テレノール傘下のタイ携帯電話サービス2位、トータル・アクセス・コミュニケーション(TAC)などが今後、調査対象になるとみられる。ただ、影響が甚大なだけに、野党も徹底的な追及には及び腰で、何らかの妥協が図られる公算が大きい。

 シンは携帯電話サービス最大手アドバンスド・インフォ・サービス(AIS)、通信衛星5基を所有・運営するシン・サテライト、テレビ局ITV、プロバイダー最大手CSロクスインフォ、シンガポールの金融最大手DBSグループと合弁の金融会社キャピタルOK、マレーシアの格安航空大手エアアジアと合弁の格安航空会社タイ・エアアジアなどを傘下に収める持ち株会社。今年第1四半期にテマセクが買収したが、タクシン首相一族の税金逃れ疑惑、テレビ、携帯電話など本来外資の参入を認めていない業種が事実上シンガポール政府傘下となったことなどで大きな問題となり、首相退陣要求の発火点となった。
《newsclip》