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タイのインターネット事情

2006年9月27日(水) 16時39分(タイ時間)

 タイもこの数年でダイアルアップ接続に替わってADSL(非対称デジタル加入者線)が普及し、一般的になった。しかし現状では、接続スピードは一般家庭で下り4メガ、上り512キロが最高で、日本に比べると充実しているとは言えない。光接続もまだまだ一般的ではない。ADSLは固定電話回線を使ってインターネット通信を行うサービスだが、回線によって引ける場合と引けない場合があり、バンコク都内でもスクムビット通り近辺などでは、ネット開設までに数カ月を要する地域がある。

 ADSLを引くにはまず電話回線を用意しなければならないが、マンションやコンドミニアムによっては、国営通信大手TOTの回線しか引けない、CPグループ系通信大手トゥルーしか引けないなど通信環境が異なる。これにより、利用できるADSL業者が決まってくる。また、電話局の交換機が古かったりすると、ADSLが引けないケースがある。日本でADSLが普及し始めたころと同様で、全般的に昔からの古い地域は問題があるようだ。ADSL加入者が爆発的に増え、工事や設備の整備が追いついていないのが理由だ。

 個人・企業にかかわらず、引っ越しなどの際に入居先でどのようなサービスを利用できるのか気になる場合は、電話会社などに相談すべきだろう。ADSLが引けない環境でも、通信衛星を通じたサービスを利用する選択肢がある。

 タイのインターネット接続は現在のところ、すべて国営通信会社CATテレコムが管理するセンターに集約される。そこから海外に繋がるラインは、非常に少ない。そのため、タイ国内ではある程度の快適な環境が確保されるが、日本など外国のサイトを閲覧すると極端にスピードが落ちる。

 日本への直接回線の拠点はわずか3カ所で、すべて合わせても容量は245メガ。これを分け合って利用しているので、速度が遅いのも当然といえる。NTTコミュニケーションズの310M、KDDIの775Mという国際バックボーンや、他国を経由するラインもあるが、直接回線が増強されない限り劇的な変化は今のところ見込めない。日本政府は、光ファイバーや通信衛星を通じたアジア・ブロードバンド計画を立てているが、これが進めばまた違ってくるだろう。

 以前はCATテレコムが出資しないと、ISP(インターネット接続事業者)事業が始められなかったのだが、2006年1月に規制が緩和され、表向きは同社の出資は不要となった。しかし実際には、どの業者もCATテレコムに接続する必要がある。これが中小業者の参入や、それに伴う価格競争を阻んでいる面があるのは否めない。また、政治的に問題があるとされるサイトやアダルトサイトなどを、政府が一元的に規制できるのも、ここに理由がある。

 大手と呼ばれるISPは現在のところ、インターネットタイランド、トゥルー、CSロクスインフォ、KSCの4社。日本ではソフトバンクがYahoo! BBを始めて、大規模な無料キャンペーンを行うなどしたが、タイでもこういった動きがなければ、現状のISP地図は書き換わらないだろう。

 企業向けのネット接続では、CATテレコムから直接、専用線を引くという方法がある。2メガで月5万−6万バーツ、10メガで月15万−16万バーツだ。常時インターネットに接続し、回線が切れるなどのアクシデントがあってはならない企業が使っている。専用線のため、問題があればすぐにその箇所を発見、修復することが可能で、CATテレコムまでの接続速度も保証される。

 企業によっては、専用線のほかにISDNのバックアップ回線を用意しているところがある。緊急時にはさらに国際電話によるダイアルアップ接続をするなど、インターネット関連企業をはじめとして、ネットと密接に繋がりを持つ企業は万全を期している。
 バンコク都内だと、インターネットタイランドが次世代のブロードバンド接続といわれるMAN(Metropolitan Area Network)を利用した「Metro LAN」のサービスを始めた。速度は10メガほどで、シーロム周辺やスクンビット周辺などの一部のオフィスビルで導入されているが、まだまだ少数派だ。

 タイ在住の外国人の間では、インターネットを電話として使う方法が一般化してきた。その火付け役となったのが「Skype」だろう。似たような機能のメッセンジャーは以前にもいくつかあったが、Skypeは設定が簡単で使い勝手もよく、無料電話として一気に普及した。ホームページから無料のソフトをダウンロードしてインストールするだけでよい。

 Skypeが導入されているPC同士であれば、国際通話であろうと無料だ。また「Skype Out」という有料サービスを利用することによって、一般回線へも格安で電話ができる。日本の企業と頻繁に連絡を取り合うには格好の方法だが、タイ国内で利用する場合、電話事業者の収入の妨げになるなど、法的にはグレーの部分が多い。企業で導入する場合には、通信事業者や弁護士などと相談の上、決めるべきだろう。

 このほか、PCから一般回線にかけられる「CAT2Call」、IP専用電話から一般回線にかけられる「CAT2Call Plus」というサービスを、CATが行っている。トゥルーはPC→一般回線の「TrueNetTalk」というサービスを提供。これらはいずれも合法だが、PC同士の無料通話はできない。

通信衛星を通じたサービス:www.ipstar.com/en/index.asp
CATテレコム:www.cattelecom.com
インターネットタイランド:www.inet.co.th
Skype:www.skype.com/intl/ja
CAT2Call:www.cat2call.com/index_en.php
CAT2Call Plus:www.cat2call.com/plus/c2c_plus_en.html
TrueNetTalk:www.truenettalk.com/truenettalk/th/index.html
アジア・ブロードバンド計画:www.dosite.jp/asia-bb/jp/index.html

Asia Dynamic Communications
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