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北朝鮮への制裁 第3の貿易相手、タイへの影響は

2006年10月16日(月) 10時39分(タイ時間)
【タイ】国連安全保障理事会が14日、北朝鮮への制裁決議を全会一致で採択した。すべての国連加盟国は、大量破壊兵器に関連する物資・技術、ぜいたく品の北朝鮮への輸出が禁止される。タイには一見関係なさそうだが、実際はどうか。

 あまり知られていないことだが、タイは北朝鮮にとって中国、韓国に次ぐ3番目の貿易相手国だ。タイ商務省の貿易統計をみると、今年1−8月のタイから北朝鮮への輸出は前年同期比52%増の1億7260万ドルで、コンピュータ部品(1580万ドル)、繊維(1060万ドル)、錫(790万ドル)、アルミニウム製品(660万ドル)などが多い。03年に70万ドルだった金は今年1−8月1130万ドルまで増えた。

 輸入は前年同期比94%増、03年通年の3倍近い1億4530万ドルで、金製を含む宝飾品3080万ドル、化学品2830万ドル、海産物食品2020万ドルなどとなっている。

 表に見える数字のほかに、核兵器やミサイルの開発に使用される精密機器、化学兵器の原料となる化学品がタイ経由で北朝鮮に輸出された疑いが強い。北朝鮮製と疑われる偽ドル札、偽造たばこがタイで流通しているといううわさもある。

 貿易以外で北朝鮮と取引があるタイ企業もある。タクシン前首相が創業した通信衛星会社シン・サテライトは北朝鮮に衛星サービスを提供したし、カシコンバンク系の商社ロクスレーは北朝鮮で通信網敷設などを手がけた。国連制裁には大量破壊兵器に関連する個人、団体の海外金融資産凍結も含まれるが、北朝鮮がタイの銀行に秘密口座を持っている可能性も指摘されている。

 タイの現政権はクーデターで発足しただけに、西側諸国の支持が弱い。制裁に本腰を入れなければ、米国との距離がさらに広くのは確実だ。ただ、北朝鮮との貿易、ビジネスは闇が深く、新政権に様々な方面から圧力がかかることも予想される。
《newsclip》