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金型部品、日本と変わらぬ環境がタイの生産業界に

2006年10月24日(火) 16時47分(タイ時間)
 日本製の金型部品が世界で最も安価で取り引きされる国がタイだ。地場メーカーの台頭で競争が激化、種類によっては「日本製が日本より安く」手に入る。日系メーカーは今後、多くがタイに生産拠点を構え、日本と同品質の製品を作るばかりではなく、日本と同様の納期、アフターサービスを提供する体制を整えていくことになろう。日本と全く変わらない環境が生まれつつある。

 日本製品、日系現地製品、地場製品が三つ巴

 金型部品は不良率ゼロが絶対条件だ。不良率がわずか1%だったとしても、その部品が組み込まれた金型で作る製品は全て不良品と化してしまうからである。日本製の金型部品は不良率ゼロと断言して差し支えない。地場メーカーの場合、未だその点で不安が残っている。そのため、自動車にせよ家電にせよ日系メーカーは、1%、もしくは0.1%、ひょっとしたら0.01%かも知れないが、それでも不良品の混在を否定できない地場製品を嫌い、ほとんど全てを日本からの輸入に頼っていた。
 タイに限らず東南アジア諸国は国家の工業化を推進する際、多くが日本をお手本としてきた。金型をはじめとするさまざまな業界が日本の規格を採用しており、地場メーカーとはいえ日系のニーズに合わせやすい生産体制を整えている。さらに、日本で金型部品の工場というと中小がほとんどだが、タイでは日本とは比較にならない最新大型設備を導入しているメーカーがある。このようなメーカーが日本のノウハウを吸収するとなると、日系にとっては大きな脅威だ。
 その脅威が現実となり、地場メーカーが技術を向上させて日系メーカー市場に食い込んできた。需要側のニーズも変化している。小型で大量の金型部品を必要とする家電メーカーなどは日本製を好むが、比較的大型・少量の金型部品を使用する自動車メーカーなどは、積極的に地場製品を取り入れるようになった。必然的に価格競争が激化、日本からの輸入製品や日系現地製品の価格が下落した。この2年で、種類によっては「日本より日本製品が安く買える」市場と化した。おそらく、日本製の金型部品が世界で最も安く手に入る国だろう。

今後は金型部品メーカーの進出ラッシュに

 価格は底値をつき、これ以上の価格下落はないとみられる。今後は生産拠点の確保のため、金型部品メーカーが続々とタイに進出してくるであろう。自動車・家電などの大手メーカー、次に一次部品メーカー、それに伴う金型メーカーの進出があり、そして金型部品メーカーと、順序的にも進出のタイミングといえる。決まった取引先が無くとも、顧客を得やすいタイに進出して基盤を固め、その実績を武器に日本への逆上陸を試みるメーカーもある。

 日系金型部品メーカーは、納期の短縮、トータル的サポートの構築はもちろん、地場メーカーには難しい「超精密金型用部品」の生産などで、自らの強みをアピールすべきだ。「最も効率的な大量生産」という技術も武器となろう。日本製品を取り扱う販売代理店は、より多くの情報を入手して分析し、環境の変化に敏感になることが求められる。そして製品知識を豊富にして、よりニーズに合った製品を紹介していかなくてはならない。今後2―3年で、日本と変わらない環境が整備されると予想される。

 地場メーカーもさらに技術を向上させ、追随してくるはずである。タイは将来的には、東南アジアの金型・金型部品の生産拠点となりうるであろう。

KANSEI CO., LTD. 
川内英二 氏 (President)

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