RSS

愛国党離脱組が新党、軍も後押し?

2006年10月29日(日) 23時32分(タイ時間)
【タイ】前政権与党・愛国党を離党したソムサック前労相、スリヤ前副首相兼工業相らが、愛国党の前下院議員数十人を引き連れ新党を結成する見通しとなった。タクシン前首相の復権阻止を狙う軍部の支持を受け、「親軍」政党が誕生する可能性も指摘されている。

 26日、バンコク近郊で中年男性ばかりのサッカー試合が行われた。一方はソンティ陸軍司令官率いる「VIP国防チーム」、他方はソムサック氏の「タイ長老国民チーム」。クーデターを指揮したソンティ司令官とクーデターで政権を追われたソムサック氏は試合後、仲良く隣り合って記念写真に納まった。

 ソムサック氏ら愛国党の有力派閥領袖の多くは政権内に入る目的で前首相と結びついていたため、軍事クーデター後、いち早く離党した。新党結成も当然、政権復帰が狙いだ。ソムサック氏は、知名度がありイメージがよいソムキッド前副首相兼財務相を党首に迎えると報じられているが、軍部の支持が得られれば心強い。

 一方軍部にとっての至上命題はタクシン前首相の復権阻止。親軍政党が政権につけば、前首相の動きを抑えることも可能で、条件次第では、愛国党離脱組と利害が一致する。

 ただ、こうした動きを危ぐする見方もある。
 
 91年のクーデターでは、軍部が後押しした親軍政党が翌年の総選挙で勝利した。しかし、麻薬取引関与の疑いで同党党首の首相指名に米国が待ったをかけ、これが原因でスチンダー陸軍司令官(当時)が公約を破り首相に就任、市民と軍の衝突で多数の死者を出す事態を招いた。

 軍と政党の「結婚」が失敗した例といえるが、果たして現在の軍部はどういった判断を下すか。英国にいる前首相と反前首相派の戦いはまだまだ続きそうだ。
《newsclip》