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〈業界事情〉日系企業向けローン

2006年11月26日(日) 14時44分(タイ時間)
 タイ地場銀行が日系進出企業に注目している。日本の銀行との提携、日系担当チームの設置、日本人スタッフの常駐などで、ローン、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)、ネットバンキングなどのサービスを展開している。企業側にとっては、メインバンクである日系銀行プラスαという感覚で利用できる。日系企業のさらなるタイ進出が続く中、地場銀行によるサービス拡充が期待されている。

 タイに進出する外資系企業で日系が占める割合は、投資額ベースで4割といわれる。銀行が外資系企業に目を向けるとき、日系企業を最重視するのは当然のことだろう。バンコク銀行、弊行カシコン銀行、サイアム・コマーシャル銀行といった大手商銀3行は、いずれも日本人チームを結成している。

アユタヤ銀行や国営銀行バンクタイほか、スタンダード・チャータード・バンク(タイ)、シティバンクといった外資系も、日本人スタッフや日本語が話せるタイ人スタッフを雇い入れるなど、タイの銀行は地場系、外資系にかかわらず、日系企業の取り込みに力を入れている。

 銀行によっては中国チームや韓国チームを結成して、同国企業をターゲットとした営業も展開している。しかし、同国企業へのアプローチはまだまだ投資奨励の色が強く、新規進出でなく既存企業も大きな市場を形成している日系と比較すると、その規模はやはり小さい。日系の新規進出企業は最近の傾向として、金型、プラスチック成型などの企業が多い。少なくとも今後5?6年は自動車関連企業の進出が続くと期待している。

 地場銀行が本格的に日系企業向けローンを始めたのは、ほんの数年前の話だ。それまでは、外資系企業が当地でローンを組むのはなかなか困難を伴うものだった。銀行をとおさず、日本の親会社から借り入れる「親子ローン」で資金調達を図る企業も多かったが、日本円をバーツで借り入れるため、為替リスクが常に付きまとった。現在はバーツ高のため、日本からの資金調達コストが大幅に高くなってしまっている。

 そのローンを「気軽な」ものにしたのは、特に弊行が昨年から重点を置いて推進している、日本の地方銀行との業務提携だ。地方銀行8行と提携。中小企業を対象にした、他行にはない機動力を持ち合わせている。新規進出企業であっても、日本で弊行提携地銀と取引さえあれば、その地銀のスタンバイ信用状(SBLC)を担保にして、為替リスクのないバーツ建てローンを組むことが出来る。

 既存企業であれば、不動産を担保にしたローンも可能だ。担保付きローンは現在のところ、地場銀行しか扱っていない。当地立ち上げの企業の場合は、設立3年以上、5年以上の黒字経営が望まれるなど、どうしても審査が厳しくなる。

 ローンを起こすとき、ご自身(日本人代表)、タイ人スタッフ、銀行担当者の意思疎通が100%であることが絶対の条件だ。タイ人スタッフ同士で話が進んでしまい、契約後に「言ったつもりが伝わっていない」「そんな話は聞いていない」などの問題が発生することが少なくない。

 また、契約時に「セッティングフィー」という費用がかかる場合が多いので注意したい。ローン額の1%足らずのものだが、日本にはない制度なので、見落とす場合が多い。弊行の場合、提携銀行のSBLCがあればセッティングフィーを不要としている。

 地場銀行の日本人チームは、ローンを組むことだけを仕事としているのではない。新規進出企業の場合は、会社設立から業務開始まで、さらには土地探しからビジネス・マッチングまで、およそコンサルティング会社的な業務をこなし、お客様をサポートする。銀行の個人口座の開設といった細かなお手伝いも珍しくはない。

 弊社の場合は特に、中小企業のお客様が多い。中小企業が持ち合わせていない機能を補完するのが、日本人チームの主要な業務のひとつと考えている。さらに、日本人チームをマーケティング・チームと営業チームに分け、最大限のアプローチを試みている。日本国内を含めたセミナー、広告出稿、コンペなどを効果的に実施できるのは、そのためだ。

 我々、地場銀行も、CMS、ネットバンキング、退職金積立制度(プロビデント・ファンド)など、ローン以外にもさまざまなサービスを用意している。CMSは、従業員給与振り込みや小切手換金・取り立て代行などのサービスで、銀行にとっては中長期的なメリットが大きい。

 プロビデント・ファンドは、退職金のために従業員と会社が同額を積み立てる制度で、1カ所の職場で5年以上積み立てると減税対象、定年までなら免税対象となる。従業員にとっては自分で積み立てた額が倍となって返ってくる、会社側にとっては5年以上という定職率の高さにつながるなど、双方にメリットがある。

 地場銀行の中でも、特に弊行は今後、日系企業にとっての「日本での取引銀行のタイ支店」という立場の確立を目指していくことになろう。弊行はすでに、日系のお客様に対して日本語による為替・経済・産業動向のリポートを定期的にお送りするなど、お客様が必要とするサービスをトータルに提案できる「タイ支店」となりつつある。支店数560店、ATM3000台、どこにいても気軽に利用できるネットワークだ。

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