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〈業界事情〉タイの電話

2006年11月26日(日) 14時57分(タイ時間)

 インターネットの技術を応用することによって、劇的に変わった国際通話。IP(インターネット・プロトコル)電話を効果的に利用すれば、企業単位でのコスト削減が可能だ。一般電話の国際通話も一昔前に比べると格安になった。国をまたいだコミュニケーションは、どんどん便利になっている。

 タイから日本にかける国際電話の料金は、以前に比べて格安となっている。国営電話会社のCATテレコムやTOTのIP電話を利用すれば、固定電話、携帯電話のどちらからかけても1分5?7バーツだ。TOTの場合、「008+国番号+国内の電話番号」で通話ができ、通話料金は年内限定のプロモーションで、日本、中国、香港、マカオ、マレーシア、台湾、韓国、クウェート、米国本土、アラスカ、ハワイ、ブルネイ、グアム、カナダの14カ国・地域が1分5バーツ。IP電話の技術の進歩のほか、日本側の料金が下がっていることが、低料金化に結びついている。

 バンコク都内での通話であれば、PCT(Personal Communication Telephone:日本のPHS)を利用すると、基本料金、通話料ともに携帯電話より安価だ。これは固定電話の子機を携帯電話のように使用するもので、子機同士の通話なら無料。企業、家庭などで利用すると便利だろう。

 バンコク以外、地方への通話なら国営電話会社TOTのサービス、「YTEL?1234」が使いやすい。電話番号の頭に1234と付けてコールする。距離、時間帯によって料金は変わるが、1分間0.5?8バーツという低料金だ。通信各社はほかにも、さまざまなプロモーションを打ち出している。自社の使用スタイルに合ったものを選びたい。

 国際通話に大きな変化をもたらしたのが「Skype」というソフトだろう。これをインストールし、ネットに繋がっているパソコン同士であれば、チャットやファイルの送受信だけでなく、電話として使うこともできる。ソフトのダウンロード、通話が無料だ。設定が簡単で使いやすいことから、IP電話が爆発的に普及するきっかけともなった。「Skype Out」というサービスを利用すれば、固定電話や携帯電話にかけることも可能だ。こちらは有料となっているが、日本にかける場合は固定電話が1分2.6円、携帯電話が1分17.5円と、通常回線よりも安い。世界のどこにいても、ネットに繋がったパソコンがあれば利用できるため、日本と頻繁に連絡をとる必要のある企業では電話代の節約にもなり重宝されている。

 だが、タイでのSkype使用は、電話事業者の利益を阻害しており、法的にはグレーの要素もある。企業として導入する場合には、通信事業者や弁護士などの意見を求めたほうがいいだろう。

 タイの通信各社もSkypeに対抗したサービスをはじめている。CATテレコムはパソコンから一般電話にかけるSkype Outと同様のシステムである「CAT2Call」や、IP専用電話機から一般電話にかける「CAT2Call Plus」を打ち出している。「CAT2Call」は固定電話へかけると1分3バーツ、携帯電話は1分5バーツ。「CAT2Call Plus」は固定電話が1分5バーツ、携帯電話が1分7バーツだ。CPグループ系通信大手トゥルーもSkype Outと同じサービス「True Net Talk」を行っている。固定電話が1分3バーツ、携帯電話が5バーツだ。

 国内外に多くの事業所を持つ企業であれば、IPセントレックスというシステムを利用するのもいいだろう。これは、企業内のIP電話の運用等を、外部の通信事業者に委託してしまうもの。これを導入すると、すべての内線は通信事業者の管理するサーバを経由するようになる。国内、海外問わず、事業所同士の通話が「内線」扱いで無料となるため、コスト削減の手段として注目されている。また、通信の秘匿にも優れているとされる。

 インターネットを利用した電話サービスで、海外での使用に特化したものに、ユナイプ社の提供する「ユニップフォン」がある。これはLANケーブルのついた電話機で、電話番号が内蔵されているもの。世界中のどこでも「東京03」からはじまる同一の番号で発着信ができる。かけてきた相手には東京03地域への料金がかかるだけだ。こちらから発信する際には東京都内1分7.1円、東京以外1分10.3円、携帯電話1分26.3円。世界のどこで発着信しても同様だ。ユニップフォン同士なら通話は無料となる。また、IP電話のフュージョンコミュニケーションズも、自社のIP電話の販促のためにSkypeや、ソニーが運営するSo-NetのIP電話サービスと提携し、日本の050番号で受けた電話を世界中どこにいても受けられるサービスを試行している。

 今後も、ネット技術と組み合わせた多くのサービスが生まれてくるだろう。タイも含めた世界の電話事情は、さらに便利に、安くなる可能性を持っている。

執筆者
Asia Dynamic Communications
佐藤大輔 氏 (Managing Director)

Asia Dynamic Communications
アジア・ダイナミック・コミュニケーションズ株式会社
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