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タイ政府、米エイズ治療薬に強制実施権発動

2006年12月4日(月) 10時49分(タイ時間)
【タイ】タイ政府は世界貿易機関(WTO)で認められた強制実施権を発動し、米製薬会社メルクが特許を持つエイズ治療薬エファビレンツを、メルクの許諾を得ずに製造する方針を決めた。メルクと在タイ米国商工会議所はこれを非難し、クーデターでギクシャクしたタイ米関係がさらに冷却化しそうな雲行きだ。

 強制実施権の発動はタイ保健省が11月29日に発表した。5年間の時限措置で、07年6月から製薬公社が製造する予定。エファビレンツの治療費はこれまでの半額の1カ月約700バーツ程度になり、現在の4倍の10万人が使用できるようになるという。

 保健省は今回の措置について、国内のHIV感染者50万人のうち、抗HIV薬による治療を受けているのは10万人に過ぎず、緊急に対策が必要だったと主張。他社の抗HIV薬についても強制実施権の発動を検討するとしている。

 これに対しメルクは、タイ政府から事前連絡がなかったと不満を示し、「強制実施権は最終的な手段」として、当局に再考を求める考えを示した。在タイ米国商工会議所は「驚くべき行動で、外国投資家に否定的なシグナルを送る」と批判した。
《newsclip》