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パタニー県副知事インタビュー

2006年12月6日(水) 03時14分(タイ時間)
 1949年バンコク生まれ。代々公務員の家に育った。夫も公務員。パタニー勤務は2004年12月から。イスラム婦人の社会進出促進という仕事を国から任されたのがきっかけ。テロが絶え間なく続く深南部で、多くの公務員が他県への転勤を望む中、喜んで引き受けてパタニーにやってきた。

 パタニーには副県知事が3人いる。私の担当はイスラム婦人の社会進出、特に政府機関での女性進出の促進だ。経済発展と教育促進も引き受けている。経済といっても、一般家庭の家計レベル。教育も貧しい家庭の子供たちを可能な限り学校に通わせるという草の根レベルの仕事だ。ほかの副知事の1人はイスラム教徒で、最近ヤラー県知事に昇進した。

 イスラム婦人の社会進出は容易でなく、成果もわずかだ。しかし、イスラムという宗教が女性進出の障壁となっているかといえば、それはNOだ。さまざまな公的機関で女性リーダーの多いマレーシアやインドネシアを見れば、宗教問題でないことは一目瞭然。タイ深南部の女性が表に出てこないのは、民俗性によるものと判断している。外に出るときは父親や夫が同伴するのが当然と、男性も女性も考えている。この土地に根付く民俗や価値観を変えていくのは難しい。

 経済面では、予想以上の成果が上がって満足している。多くの家庭で、作り手のほとんどは女性だが、1タムボン(複数の村落からなる行政区)1産品(OTOP)製品を作らせ、国内外に販売している。製品はイスラム女性用スカーフ、造花、南部特産の塩辛「ナーム・プリック・ブルドゥー」、コメ菓子のカーオ・クリアップなど。輸出はスカーフがほとんどで、マレーシア、インドネシア、シンガポール、ブルネイなどだ。造花は日本の業者に買ってもらったこともある。今年1年で4億バーツの売り上げ目標が、9月時点で6億バーツに達した。

 深南部のテロ問題は、一朝一夜で解決するほど単純なものではないだろう。だがこのような、イスラム女性の社会進出を促したり、OTOP製品を売ることによって家計を豊かにさせたり、子供たちを学校に通わせたりすることが、問題解決の一助となると信じている。

 パタニーという土地が好きだ。自然が豊かで、人も良く、料理もおいしい。ただ後3年で定年となる。子供もいないので、定年後は夫と共に実家でのんびりと暮らすつもりだ。
《newsclip》