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〈タイ業界事情〉切削工具

2007年1月22日(月) 23時30分(タイ時間)

 これまで輸入に頼ってきた切削工具が、タイ国内で購入・メンテ出来るようになってきた。切削工具の中でも超硬工具に関しては、日系、地場メーカーとも質の高い製品を製造、タイ製が一般的となっている。さらに、日本でも高価なPCDやPCBNなどの工具も、日系メーカーがタイ国内での製造を始めており、市場を固めつつある。近い将来、PCDやPCBNでも高品質なタイ製が普及、日本と変わらぬ市場が形成されると期待される。

■日本でも需要増のPCD、PCBN

 切削工具にはドリル、リーマ、エンドミル、バイト、カッターなどがあり、素材は超硬が一般的だ。超硬は主に、鉄系鋳物部品の加工に利用される。PCDを使用する工具は、高価な分だけ超硬より硬い。鉄より粘り気のあるアルミの加工などに多用される。

 最近注目されているのが、ダイヤモンドに次いで硬いといわれるPCBNで、立方晶窒化ホウ素粒子を超高圧焼結した多結晶状の工具。高価ながらも、超硬より加工精度が圧倒的に高く、寿命も上手な使い方をすれば十倍以上といわれる。超硬に代わる工具として、日本でも需要が急増している。

 PCDもPCBNも、タイ国内で製造するメーカーは弊社を含めて日系2?3社に過ぎない。専用の加工機械を日本から導入しなければならず、さらに機械のカスタマイズと専用ソフト、そして何よりもノウハウが必要であり、日系が技術力を発揮するところだ。PCDやPCBNを使用するメーカーは、自動車関連と電子機器関連がほとんど。欧米系の製造業者は、このような工具を輸入に頼っているようである。

■顧客に身近なことが最大のメリット

 PCDやPCBNなどの工具をタイ国内で製造することには、まず価格を抑えられるというメリットがある。弊社では輸入製品より2?3割安くご提供している。また、輸送にかかる時間と手間を省くことが出来るので、即納体制だ。しかしそれ以上の強みは、タイ進出メーカーの顧客に近いことだ。要望を直接聞き、ニーズを見極め、それを工具に反映させることが出来る。PCDやPCBNの需要はタイでも確実に伸びており、弊社の顧客は200社近い。ベトナムやインドなどへの輸出の引き合いもある。

 一方、改善が必要な点があることも確かだ。日本と同じ品質の製品を作り上げることは、やはり簡単ではない。同じ機械を使い、同じ規格で製品を作ろうとしても、それを手がけるのは、日本人ではなく地元タイ人だ。仕事の環境、民族的な感覚の違いから、測定方法一つとっても日本人と異なる。同じ製品でも測定方法が違えば、仕上がりは異なって当然といえる。日本への研修制度を積極的に利用するなど、より日本人的な感覚で製品が仕上がるよう、人材育成に努力しなければならない。

 弊社では2006年11月に新工場を稼動、工場スペースが2.2倍となった。これに伴いPCD・PCBNの加工機械を新たに導入、タイ国内での製造、再研磨などのメンテにさらに注力していく。

 周知のとおり、タイ政府は2010年までに自動車年産台数200万台達成という目標を掲げている。弊社も同年までに切削工具の売り上げが現在の倍になるよう努力する所存だ。

* PCD:Polycrystalline Diamond (ダイヤモンド焼結体)
* PCBN:Polycrystalline Cubic Boron Nitride (立方晶窒化ホウ素焼結体)

FSK (THAILAND) CO., LTD.
本社・工場
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ウェブサイト:http://www.fskthailand.com/ (英語・タイ語)

バンパコン事務所
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電話:0-3871-7262?3 ファクス:0-3871-7264
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《newsclip》