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タイ深南部テロで9人死亡、数十カ所で爆発

2007年2月19日(月) 08時26分(タイ時間)
【タイ】中国正月の2月18日夜から19日にかけて、タイ深南部の数十カ所で爆弾が爆発したほか、放火、銃撃が相次ぎ、一般市民や陸軍士官など9人が死亡、50人以上が負傷した。深南部の独立を求めるイスラム過激派の犯行とみられている。昨年9月のクーデターで政権を奪取したタイ軍事政権は、過激派との対話、隣国マレーシアとの協調で深南部問題の解決を目指してきたが、過激派が交渉に応じる気配はなく、今後の見通しは不透明となっている。

 爆発があったのは、ナラティワート、パタニー、ヤラー、ソンクラーの4県のホテル、百貨店、カラオケ店、鉄道駅、ガソリンスタンド、自動車のショールーム、送電施設などで、主に都市部に住む中国系タイ人、仏教徒タイ人が狙われた。襲撃は19日以降も続き、20日朝にはヤラー市内のセブンイレブンに仕掛けた爆弾が治安当局に処理された。21日には同市内にある国内最大級の天然ゴム倉庫が放火され、天然ゴム約5000トンが焼失。被害額は4億バーツに上るとみられる。同日午後、ヤラー県内を走行中だったシリキット王妃側近のタンプーイン(高位の女性の称号)・ウィリヤー・チャワクン氏の車列が道路脇から銃撃を受け、ウィリヤー氏が弾丸で割れた車窓の破片で眉にけがをした。ウィリヤー氏は深南部の軍関連の式典に出席した帰りだった。

 イスラム教徒が多数派の深南部では、タイからの独立を掲げるイスラム過激派のテロが01年から活発化し、過去6年のテロ関連の死者は2000人を超える。今年に入っても銃撃、爆発事件が起きなかった日はなく、多い日は1日で10人近い死者が出ていた。
 最近は斬首など犯行の残虐化が目立つ。パタニーでは2月8日、精米所オーナーの男性(72)が射殺され、首を切断された。切り取られた頭部は9日朝、現場から約7キロ離れた路上でみつかり、頭部をおとりとした遠隔操作爆弾を警戒した警察が周囲の携帯電話を遮断した上、回収した。1月にはヤラーの果樹園労働者、2月1日にはパタニーのアイスクリーム販売商が射殺、斬首されている。

 17日には、猟に出かけたまま行方不明になっていた中国系タイ人の男性(19)と飼い犬の焼死体がナラティワートで発見された。犯人は男性を射殺、犬を撲殺した後、死体にガソリンをかけ火をつけた。

 11日には、ナラティワートを走行中のタイ国鉄の列車が銃撃を受け、国鉄職員1人が胸を撃たれるという事件も起きた。
《newsclip》