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日タイ経済連携協定に調印、10年で関税ほぼ撤廃

2007年4月3日(火) 21時51分(タイ時間)
【タイ】安倍首相と訪日中のタイのスラユット首相は3日、自由貿易協定(FTA)を含む日本とタイの経済連携協定(JTEPA)に調印した。協定発効から10年以内に日本からタイへの輸出の約97%、タイから日本への輸出の約92%が無税となる。労働者の受け入れ、投資などに関する規制も緩和される。日本の国会の批准後、発効する。

 タイはEPA発効から10年以内に完成車などを除くほぼすべての鉱工業品の関税を撤廃する。また、日本の製造業投資に対する規制を強化しないことを約束。製造業関連の修理・メンテナンス、小売り・卸売りなどの一部について外資規制を緩和する。人の移動分野では、在タイ日本人の滞在・労働許可の取得に係る条件を緩和する。

 日本は多くの農林水産品を含む包括的な関税撤廃・削減を行うほか、自動車や鉄鋼などの産業・農業協力を行う。タイ伝統舞踊、タイ語などの指導員の入国・就労も認める。

 日本にとってタイは東南アジア諸国連合(ASEAN)で最大の輸出先だが、輸出品のほとんどが高関税で、JTEPA発効による関税撤廃のメリットは大きい。タイはまた、日本企業の進出数がASEANで最多という日本の中核的な生産拠点であり、投資ルールの整備やサービス自由化による事業環境の整備も期待される。

 タイは食品、農産物などの日本への輸出拡大、日本企業の対タイ投資増加を期待。同国屈指の輸出産業に育った自動車産業の育成・高度化にも日本の支援が欠かせないとみている。 

 JTEPAは05年8月に大筋合意、06年4月に調印する予定だったが、タイの政局混乱でずれ込んでいた。昨年9月のクーデターで政権を奪ったタイの軍事政権・暫定政府は国際的な孤立と投資の落ち込みをカバーするため調印を決断。タイを重視する日本がこれに応じた。今年が日タイ修好120周年にあたることも調印の追い風となった。タイ国内にJTEPAに対する幅広い反発はないが、非政府組織(NGO)や一部政治家が、タイが日本の産業廃棄物の捨て場所になるとして反対していた。

 日本がEPAに署名したのは、シンガポール、メキシコ、マレーシア、フィリピン、チリに続く6カ国目。タイは05年にオーストラリア、ニューランドとの本格的なFTAが発効し、ASEAN、中国、インドとも関税引き下げを進めている。

 日本にとってタイは7番目の投資先、第7位の貿易相手国。06年のタイとの貿易額は輸入が1兆9639億円、輸出が2兆6647億円だった。輸入は半導体、コンピュータ・関連製品など機械類、電気機器が40%近くを占め、次いで天然ゴムなど農林水産品が16%。輸出は機械類・電気機器が46%、鉄鋼金属が19%だった。

 タイの国内総生産(GDP)は05年で約1690億ドル(日本の約27分の1、埼玉県とほぼ同規模)、1人当りGDPは2577ドル(日本の約14分の1)。タイにとって日本は外国直接投資の4割以上を占める最大の投資国、最大の貿易相手国。
《newsclip》