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タイ首相「事態悪化なら辞任も」

2007年4月12日(木) 16時58分(タイ時間)
【タイ】タイのスラユット首相は12日、記者会見を開き、問題がない限り首相職に留まると述べたが、政情が悪化した場合は辞任もありうることを認めた。また、内閣改造を検討していることを明らかにした。

 首相の進退については、ブンロート国防相が11日、軍事政権トップのソンティ陸軍司令官に首相が自らの辞任を提案したと述べ、地元紙が大きく報じていた。

 スラユット首相は陸軍司令官、国軍最高司令官を経て、03年からタイ国王の諮問機関である枢密院の顧問官を務めた。昨年9月のクーデター後、軍部の要請で首相に就任したが、前政権の汚職捜査が進まない一方、イスラム過激派のテロが続く深南部は情勢が悪化、経済政策でも失策が続き、発足当時に70%を超えた支持率は30%台に落ちている。

 不人気の理由は、91年のクーデターで発足したアナン内閣との比較もありそうだ。元駐米大使で、クーデター当時、消費財大手サハ・ユニオン・グループの会長だったアナン氏は、軍に請われ首相に就任すると、実務家ぞろいの内閣を組織し、1年の任期中に、付加価値税(VAT)の導入などさまざまな改革を実現した。タイ史上最高という評価もある同内閣と比べると、スラユット内閣はめぼしい成果がなく、タイ国民の目に歯がゆく映っているようだ。

〈スラユット・ジュラーノン〉
43年生まれ。陸軍士官学校卒。陸軍特別戦闘司令部(SWC)司令官を経て、97?02年陸軍司令官、02?03年国軍最高司令官。03年枢密顧問官、06年10月から首相。

〈アナン・パンヤラチュン〉
32年、バンコク生まれ。英ケンブリッジ大学卒。72年米国大使、76年外務次官。軍事政権とのあつれきで79年に退官し、消費財大手サハユニオン・グループに参加、91年に同社会長。同年、クーデターで政権を奪取した軍事政権の要請で首相に就任。1年余りの任期中に、付加価値税(VAT)の導入など税制改革、法整備を猛スピードで進めた。92年の民主化武力弾圧事件後、再度首相に就任し、民政復帰までの4カ月、困難な政治情勢の中、舵を取った。97年の新憲法制定では、憲法起草委員会委員長として起草作業の実質的な指揮を執り、同年マグサイサイ賞を受賞した。父親はモン族と華人の血を引く貴族で、サイアム・コマーシャル銀行(SCB)の創業者の1人。妻は王族。


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《newsclip》