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カット拒否のタイ映画、検閲委がフィルムを人質に

2007年4月16日(月) 12時23分(タイ時間)
【タイ】タイ政府検閲委員会が、第9回仏ドーヴィル・アジア映画祭の最優秀作品賞を受賞したタイ映画「シンドロームズ・アンド・ア・センチュリー」の一部内容のカットを、同映画のアピチャーポン・ウィーラセータクン監督の意向を無視し、強行する見通しとなり、アピチャーポン監督、タイ映画財団などが、フィルムの返還を求める署名運動を開始した。

 アピチャーポン監督は、同映画のタイでの上映に向け、検閲委にフィルムを預けたが、僧侶がギターを弾くシーンなど4カ所のカットを命じられたことから、国内上映をキャンセルし、フィルムの返還を求めた。しかし検閲委は、フィルムをカット後、返却すると通告。アピチャーポン監督らは、所有権、基本的人権を無視した暴挙として、国内外の映画関係者、愛好家らに署名を求めている。集まった署名は、検閲制度の廃止などの提案とともに、タイ立法議会(軍が任命、国会に相当)に提出する予定だ。


〈アピチャーポン・ウィーラセータクン〉
70年バンコク生まれ。タイ東北部のコンケン大学を卒業後、米シカゴ美術館附属美術大学に留学。「ブリスフリー・ユアーズ」(02年)でカンヌ映画祭の「ある視点」最優秀作品賞と東京映画祭最優秀作品賞、「トロピカル・マラディ」(04年)でカンヌ映画祭審査員賞と東京映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、海外で注目を集めている。ただ、内容が難解なことから、タイでの知名度は低い。
《newsclip》