RSS

〈タイ業界事情〉旅行代理店(インバウンド業務)

2007年4月24日(火) 09時10分(タイ時間)

 新型肺炎SARS、インド洋津波、クーデター、爆弾テロなど、災害や事件が絶えることなく続き、そのたびに日本からタイへの観光客の足が遠のく。インバウンド業務に携わる旅行代理店にとって、一難去ってまた一難、という状況の繰り返しだ。幸いにも今回のクーデター・爆弾テロでは、大きな落ち込みはなかったが、災難はこれで終わりではないだろう。インバウンド以外の収入源を確立しなければ生き残れないのが現状だ。

 日本人にとって最も旬なアジア旅行先は台湾と香港だ。台湾はもともと日本人になじみの深い国で、政情でも治安でも不安要素のない、「安全パイ」としての地位を確立している。最近は特に、高速鉄道(台湾新幹線)が開通したことなどから人気が急上昇。弊社の台湾支社の取り扱い客は、過去2年で倍増した。香港はSARS騒ぎが過ぎ去った後、順調に観光客を取り戻し、今では香港ディズニーランドやマカオのカジノなどが注目を浴びている。

 一方のタイは、日本からの飛行時間を考えると「ちょっと遠い」旅行先となる。ビーチリゾートで見るならば、マレーシアやモルジブの追随を許さないほどの人気を誇るが、災害や政情不安が発生すると、途端に観光客の足が遠のいてしまう。インバウンドに携わる旅行代理店にとって、決して安心できない国なのである。

 災害や事件に、団体旅行は敏感に反応する。2003年のSARS騒ぎでは、弊社の取り扱い客はそれまでの月2000人から一気に半減した。ちなみに香港本社では、月1万人が3カ月間ゼロという悲惨な状況だった。2004年末のインド洋津波のときは4?5割減で、復旧後も「プーケットに死体が浮いている」「タイ全土が水浸し」という悪意のある噂が絶えず、通常に戻るまでに時間を要した。2006年9月のクーデター、同年大晦日から今年元旦にかけての爆弾テロでは、弊社の場合20?30%減にとどまったが、全体の減少率はもっと高いと思われる。

 弊社の現在の取り扱い客は月1500人で、これまでの月2000人に未だ戻っていない。これは災害や事件の発生のみならず、団体旅行自体が減っていることも影響している。団体観光客の多くは、2度目の訪タイで個人旅行に変わる。団体であっても、「航空券+ホテル+送迎」だけの自由行動や、「視察ツアー」といったビジネス向けが増えている。

 一方、個人旅行は災害が起きても事件が発生しても、団体旅行ほど影響を受けない。特にタイは目的を持って訪れる人が多い。日本からタイへの渡航者数は、学校が休みとなって多くの団体旅行が組まれる3月、7月、8月に集中する。今でもこのパターンは変わらないが、9月15日(敬老感謝の日)前後、11月3日(文化の日)前後、12月23日(天皇誕生日)前後も増えてきた。比較的料金が安くて渡航しやすい連休を狙った個人旅行者が増えているのだ。

 インバウンド業務のみに頼るのではなく、弊社では個人旅行者に目を向け、タイ発航空券の販売やインターネットによるホテル予約といった業務に乗り出した。SARS騒ぎを教訓に2年前から始めたが、今では売り上げの4割を占めるなど、業務はいたって順調だ。

 近くアウトバウンドにも乗り出す。当初はタイ人向けの日本、香港、シンガポール、カンボジアへのパッケージツアーだ。日本行きはビザ取得など難しい面はあるが、料金的には3泊4日で3万?3万5000バーツと、利用しやすい商品となっている。

 インバウンドといえば一昔前なら、文字どおり机1つと電話1台でこなせた仕事だったが、今はそのような時代ではない。インバウンドのみに頼らない経営が求められる。しかしそれは、インバウンドを必要としないという意味ではない。弊社の航空券発売やホテル予約も、インバウンドあっての業務なのだ。タイにはパタヤ、プーケット、チェンマイなど多くの観光地がたくさんある。日本の方々にぜひ旅行していただきたい。

New Toyo Travel Co., Ltd. (新東洋旅行社)

住所:Thaniya Bldg., 4th Fl., Silom Rd., Bangkok 10500
電話:0-2238-5293-4
ファクス:0-2238-5291
E-Mail:newtoyo3@anet.net.th
ウェブサイト:www.newtoyotravel.com, http://sp.newsclip.be/sp/toyo/
《newsclip》