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白亜の寺院

2007年5月30日(水) 23時44分(タイ時間)
 タイ北部の街、チェンライ中心部から南に13キロほど下ったところに、真っ白いワットがある。この白亜の寺院、ワット・ロン・クンは、タイの現代芸術の巨匠と言われる、チャルムチャイ・コーシッピパット氏の手による「作品」である。1997年に本堂の建築からはじめ、現在もまだ建築中、完成までまだ数年はかかる、という大作。

 屋根も、池も、橋も、壁も、すべて真っ白い寺院でありながら、本堂の中の絵は白くない。現在もまだ一部しか描かれていないが、現代芸術、というだけあって、近未来的、仏教画と呼んでいいか迷うような絵画である。大きな仏像の周りには、近代的な超高層ビル、山のようなものにメタリックな腕時計が巻かれ、その文字盤に向かってのびるレーザービーム。空にはUFOのような乗り物(と思われる)がいくつも浮かび、さらに上には雲に乗る人々(これは仏画風)。

本堂への入り口となる小さな橋のかかる池には水がなく、そのかわり底のほうから無数の人間の手が伸びている。まるで何かにすがりつこうとするような手、手、手。参拝者の通ることになる橋の両脇にある手は、しっかりとタンブン(お布施)用の鉢を抱えている。

 厳しく照りつける太陽の下、ワット・ロン・クンはますます白く、眩しい。
《newsclip》

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