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〈インタビュー〉 アップコン

2007年6月18日(月) 00時06分(タイ時間)
業務を止めずに短時間で修正が可能
——社名および工法名となっている「アップコン」とは?
 「沈んだコンクリートを上げる」ことから来ています。ウレタン樹脂を使った地盤沈下修正工法に出会ったのは、海外で建築関係の仕事に就いていたときです。従来のようにコンクリートを打ち替えることなくへこんだ部分をフラットな状態に戻してしまう工法を、地盤沈下の多い日本に広めたいと思ったのが、自ら手掛けるきっかけとなりました。工法名と同じにしたのは、社名と製品名を同じにしているコカ・コーラからヒントをえました。その方が覚えてもらいやすいと思ったからです。

——どのような工法なのでしょうか?
 軟弱地盤、地震、機械などの重みを原因として沈んだ工場や倉庫などのコンクリート床を、ドリルで小さな孔を開けて特殊ウレタン樹脂を注入、樹脂の発泡圧力で床下から押し上げて平らにする工法です。複数の測量機器を駆使し、ミリ単位でレベル測定しながら高さを確認、最終強度は約15分後に発現します。沈下修正のほか、軟弱地盤と床の間に生じた空隙を充填する「空隙充填」、軟弱地盤を圧密強化して地耐力を向上させる「地盤改良」、床のひび割れなどからにじみ出る湧水を防ぐ「止水」などを行っております。また、大きな地震が発生したときに建築物へのダメージを減少させる「耐震対策」や、工場など床下から機械の振動を抑制する「振動抑制」なども、お客様のご要望や地盤の条件に応じて行っております。

——従来の修正工法との違いは?
 決定的な違いは、「業務を止めずに短時間で修正が可能」という点です。沈下修正は現在でも、「コンクリート打ち替え」が一般的ですが、業務を止めなければならない、大型設備が必要、時間がかかる、騒音が発生する、産業廃棄物が出る、それでいて沈下の原因である軟弱地盤が改良されない、といった問題点があります。これらの点を全て解消するのがアップコン工法です。

発泡ウレタン樹脂で止水も
——どのような建物の床を修正するのですか?
 主に工場・倉庫などのコンクリート床を修正します。日本ではこれまでに、施工面積が約1万平方メートルを超える倉庫で、高床式コンクリートスラブの沈下を約130ミリと、棚の傾きを約70ミリ修正したことがあります。老人保健施設の地下駐車場では、湧水が原因で場内に溢れた水を止めています。

——発泡ウレタン樹脂の特長は?
 京都議定書の批准によってフロンガスが将来的に問題化しうると判断、独自の研究を重ねてフロン・代替フロンが発生しない完全ノンフロンの発泡ウレタン樹脂を開発しました。地盤に入った樹脂は、液体状態から瞬時にクリーム状態、ゲル状態、固体と変化していきますので、土壌汚染の心配は皆無です。

——タイに目を向けたきっかけは?
 「タイはアップコンの技術を生かせる市場ではないか」という紹介を受けたのをきっかけに、今年に入って事業化調査に訪れました。空港に降り立った瞬間から市内に入るまで、「全てがアップコンの対象だ」という印象を受けました。まだ本格的な調査を進めておらず、テスト施工もこれからですが、市場規模は非常に大きいと確信しております。地盤沈下の状況を見学させていただいた日系工場からは、早くも見積もりが欲しいというお言葉をいただいております。

——普及のめどは?
 「床が沈んでいるが少し我慢しよう」「道路が波打っているがもうしばらく走ってもらおう」「数年後に全部剥がしてやり直せばいい」という考えがあるかもしれませんし、それが間違った考えであるとは言えません。しかし、コンクリートを剥がせばその間の業務は止まりますし、道路は通れません。何十年という耐用年数のコンクリートは、剥がされれば処理に困る産業廃棄物と化します。しかも沈下の原因である肝心の地盤は軟弱なままなので、問題解決にはなりません。当初は日系企業様に積極的にご紹介、いずれ公共工事でデモンストレーションやテスト施工などの機会を得るなどして、アップコン技術の「社会貢献度と経済効果の高さ」を知っていただければと思っております。

——金額は?
 日本との環境の違いで、施工期間、必要人員数など変わってくるはずですし、またそれぞれの状況によって額は違ってまいります。日本の実績をご紹介すると、住宅の場合、工期はジャッキアップといった従来の修正工法と比較して10分の1、金額は約半分です。工場や倉庫の場合、工期は従来のコンクリート打ち替えと比較して10分の1、金額は1平米当たり1万—1万5000円です。タイでもより魅力的な金額の提示に努める所存です。

——ありがとうございました

アップコン株式会社:
住所:213-0012 神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP東棟611
電話:+81-44-820-8120 ファクス:+81-44-820-8121
Eメール:info@upcon.co.jp
ウェブサイト:http://www.upcon.co.jp

タイ国内代理店:
Siam inai Co., Ltd. (サイアム・アイナイ)
業種:高速道路設計などを日本から受注しているほか、タイ国内で建物補修用カーボンの販売および同製品を利用した建物の梁の補修、2階以上の床のゆがみの修正を行う。アップコンの沈下修正同様、業務を停止することなく補修・修正が可能。
住所:No. 23/46, Sorachai Building, 16th Floor, Sukhumvit Road Soi 63, Klongton Nua, Wattana, Bangkok 10110
電話:0-2381-6763 (担当:吉田)
ファクス:0-2714-3148
Eメール:sales@siaminai.com
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