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タイのマナー

2007年6月29日(金) 14時16分(タイ時間)
ワイ(手を合わせる)

 タイに来てまず目に付くのがワイ。日本人が神仏の前で手を合わせるのと似ているが、手をより顔(鼻)に近づける。人に会うとき、別れるとき、大事なものをもらったときなどに、ワイをする。日本人のように食事の前に手を合わせることはない。


タイに来たばかりのころは、とかくワイを真似したくなるが、決まりごとを知っておきたい。まず年下には自分からワイをしない。同年齢、年上か年下か分からないときは、タイ人も日本人のおじぎに似たしぐさをするので、ワイよりおじぎをした方が、媚を売っていると思われたり、見下されたりしない。年下に対するワイは、首や胸元で手を合わせる。


 年上に対しては、自分の方からワイをするのが礼儀で、手を合わせる場所も鼻の辺りが無難。ただ、何かとワイをすると、媚を売っていると思われるので、最小限で十分。交通違反などで停められたとき、明らかに自分の過失だと思うときは、交通警官に対して素早くワイをすると、印象が違ってくる。


名字ではなく名前を呼ぶ

 タイはプライベートの場、ビジネスの場に関わらず、名字ではなく名前を呼ぶ。初対面であっても、名前を呼び合う。よって、どんなに親しい相手でも、名字を知らないという人はけっこう多い。日本人(外国人)はタイ人に対しても名字を名乗るため、相手は名字を名前だと勘違いすることがあり、後に名字だと知ると「なぜ名字を名乗るのか」と不審に思う。


 タイ人は全員がニックネームを持っているので、何度か顔を合わすうちに、もしくは初対面でもニックネームを呼ぶ場合もある。電話先で同名が何人かいる場合、「本名が誰々のニックネームの誰々」と言って、相手を特定する。


子供の頭をなでない?

日本のガイドブックなどでは、「頭には精霊が宿るので人の頭は触ってはいけない。子供をなでるのも良くない」と紹介されているが、実際には精霊が宿るとは思われていない。日本人が他人の頭には理由がない限り触らないのと同じ程度でしかなく、子供の頭を撫でても問題ないが、子供を叱るときに頭を叩くことはない。


ただ、日本人よりは頭を神聖、足を不浄と考えており、男性の頭は女性より幾らか神聖で、女性の足は男性より幾らか不浄となる。従って、父親が娘を肩車するのも、タイ人には意外と思われる。また、日本人のように、さほど子供の頭を「良い子、良い子」と撫でないのも確か。枕の上に足を乗せたり座ったりするのも、非常識と思われやすい。




 日本よりは不浄とされており、足を使って何かをやったり、神仏や人に足を向けたりしない。日本人がうっかりやってしまいそうなのが、イスなどに足を乗せて靴のヒモを結び直すことで、自分のイスであってもタイ人には非常識に見えるようである。


左手

 「左手は不浄。タイのトイレでは紙を使わないので左手で洗う。人の大事なものを左手で扱うとひんしゅくを買う」などと日本のガイドブックには出ているが、イスラム圏以外はそのようなことはない。タイ人は日本人よりはるかに左利きが多いので、むしろ左手を多用する国といえる。もちろん握手は、左手を使う国などないので、当然右。


 イスラム圏では、買い物をしてお金を払うときに、左手で出さないよう注意すべきだが、外国人の場合はうっかり左手で出してもひんしゅくを買うということはない。イスラム教徒の人でも、「左手で失礼」と謝りながら左手を使うこともある。


一瞬の迷いなく席を譲る

 バス、高架電車BTS、地下鉄(MRT)などで混雑しているとき、タイ人は年寄り、障害者、妊婦、子供が乗ってくると一瞬の迷いもなく席を譲る。僧侶に対しては、信仰上の理由で席を譲る。特に子供の場合は、小学生ぐらいの大きな子供、日本でなら「子供なんだから立っていなさい」といわれる年頃に対しても、席を譲る。小さい子供の場合は、席を半分譲ったり、ひざの上に乗せたりして、一緒に座ることもある。


 目の前の席が空いたときは、男性の場合は女性に席を譲ることが多い。また、満員バスなどでは、自分の席の前に立っている人の荷物を持ってあげることが多い。ただ、そのまま(故意に、もしくは本当に忘れて)持っていってしまうことがある。


宗教を批判しない

 仏教であってもイスラム教であっても、タイ人は信仰心が深い。宗教を批判する言動は慎む。特に気を付けたいのは僧侶と出会ったとき。バス、BTS、地下鉄で出入り口横に座っている人は必ず席を譲る。隣に女性が座ってはいけない。僧侶と女性の間に男性が1人でもいれば問題ない。車掌が女性で切符などを僧侶に渡さなければならないとき、隣の男性が車掌から受け取って、僧侶に渡す。このとき、両手で渡さなければならない。


 寺院で僧侶と会うときも同じ。女性は布施を渡すときも直接渡してはいけない。僧侶が差し出す布の上に、布施を乗せる。


王室を批判しない

 タイ人は何よりも国王を尊敬する国民であり、王室を批判することは許されない。外国人も同じ、というより見つかった場合は外国人の方が非難は激しい。タイには不敬罪があり、日本人を含むが外国人が王室批判で実刑を受けている。


 映画館では、映画上映の前に国王を称える音楽「サンラスーン・パバーラミー」が流れ(本来は歌詞あり)、観客は全員起立する。また、朝8時と夕方6時は国歌が流れ、座っている人も歩いている人も起立する。一昔前までは屋外屋内を問わず行われ、大きな交差店など場所によっては交通整理の警官が車を停めるなどしていたが、最近は官公庁、軍駐屯地や警察署、公園、BTS駅などに限られているようである。
《newsclip》