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タイの民族

2007年6月29日(金) 14時28分(タイ時間)
「タイ人は現在の中国雲南省から南下してきた」という説が広く知られている。7—10世紀に同地に存在した「南詔」がタイ人の王国で、モンゴルの攻撃を受けて「自由(タイ)」を求めて南下、現在のタイの地で建国したのがスコータイだとされている。しかしこれは、1930年代に故意に広められた、ナショナリズムを煽るための作り話であり、実際には現在のベトナム東北部と中国・広西壮族自治区の辺りから流れてきたとされ、タイ国外では同説が多くの支持を得ているという。


タイ系諸族

 国籍ではなく民族的に「タイ人」と呼ばれるタイ系諸族は、タイの人口の80%以上を占める。この中には一般的な「タイ人」であるタイ・ノイ族、少数民族でタイ北部・東北部、ミャンマーに住むタイ・ヤイ族(シャン族)、東北部のタイ・ラオ族(ラオ族)などが含まれる。


先住民族のモン族

 タイ族が現在のタイの地に移住してくる以前は、モン族と呼ばれる人たちが中部、東北部に広く住んでいた。彼らと同じ民族は現在、カンチャナブリ県のミャンマー国境沿いとミャンマー(モン州など)に住んでいる。


バンコク近郊のサムットプラカン県プラプラデーン、ノンタブリ県クレット島など、モン族の町として知られているが、彼らはタイ族が移住してくる前からその地に住んでいたわけではなく、近代になってカンチャナブリのミャンマー国境沿いとミャンマーから南下してきたといわれる。チェンマイ県など北部山岳地帯に住む少数民族のモン族とは別で、彼らはタイ語では別称として「メオ族」と呼ばれている。


華人(中華系住民)

 タイには数百万人という華僑、中華系住民がいるが、タイ人と通婚が進んでいるので、正確な数字は分からない。バンコクでは600万—1000万人といわれる都民の半数が、中華系、もしくは中華系との混血といわれる。中華系住民の出身地は広州、福建、潮州などさまざまで、客家系も多い。


彼らは、古くはスズ掘りでタイ南部にクーリー(苦力)としてやってきて、最近はタイの戦後の移民政策で中国から移り住んできた。

 

イスラム系住民

 政府発表のとおりイスラム系住民の人口が4%だとすると、タイの人口が6400万人として250万人程度の計算となるが、実際には700万—900万人いるといわれる。南部はマレーシアと接していることもあり、県の人口の80—90%を占めるなど、イスラム系住民が多い。


タイ中央部のイスラム系住民は、パタニー戦役などの捕虜として移住させられてきた、南部イスラム系住民の子孫が多い。チェンマイ、メーホンソン、ラムパンなど北部各県には中国から南下したいわゆる回教徒、ミャンマーと国境を接する北部ターク県や西部カンチャナブリ県にはミャンマーからのインド系イスラム系住民、カンボジアに接する東部トラート県にはクメール系イスラム系住民、バンコクにはカンボジア方面から流れてきたイスラム系チャム族の末裔などがいる。


その他の民族

 戦後タイに移住してきたインド系住民、ベトナム戦争の勃発で移住してきたベトナム系住民、山岳部に暮らす少数民族のカレン族、アカ族、ヤオ族、モン族など。
《newsclip》