スワンナプーム国際空港の開港をきっかけに、パタヤが急速に変化している。中でも目を見張るのが、分譲マンションやホテルなど外国人向けの不動産の動きと、市によるインフラ整備だ。
新空港の開港は2006年9月だったが、その1年半前ごろから、国内外の大手ホテルチェーンがパタヤ市内の中小ホテルを買収。資金力にものをいわせて大々的に改修・増築、新たな拠点を築き始めている。地場流通大手のセントラルグループはホテルにとどまらず、ショッピング・コンプレックスの開発にも乗り出している。ビーチロード沿いに建設中の「セントラル・フェスティバル・パタヤ・ビーチ」だ。
これまでタイ人向けに一戸建て住宅やタウンハウスを建ててきた地場デベロッパーは、こぞってマンション開発に乗り出した。目当てはもちろん、「金になる」外国人だ。特にパタヤの南に伸びるジョムティエン・ビーチ沿いは、欧米人によって分譲マンションの価格が跳ね上がり、とうとう億ション(3000万バーツ台)も登場した。買い手は主に、資源成金のロシア人、ユーロ高で潤う欧州諸国の熟年層、そしてお決まりのアラブ人であり、かつて「金持ちの代名詞」だった日本人ではない。
市によるインンフラ整備も進んでいる。パタヤは周知のとおり、ベトナム戦争の余暇を過ごす米兵のために造られた街で、リゾートというより歓楽街としてその名を馳(は)せた。「排水はビーチに垂れ流し」が当然だったが、2000年前後から水質改善が始まり、今ではすっかりリゾートとしての海が蘇(よみがえ)っている。市はさらに、ビーチロードの電線を地下に埋設するなど、パタヤを欧米風の町並みに作り変えている。
パタヤが目指すのは「東洋のハワイ」。これまでの「男が遊ぶ街」から「ファミリーが楽しむ街」への生まれ変わりだ。先に述べたセントラルグループのビーチロード通りでの施設開発はまさに、パタヤの将来を見越しているといえよう。しかしそのファミリーというのは、不動産ブーム同様、決して日本人ではない。行政側が率先して、日本人や、薄利多売しか期待できない中国や韓国などから、収入源のメインを金持ち白人にシフトしているように感じてならない。
また日本人にとっても、パタヤは過去の観光地だ。一昔前なら、日本からのツアーには必ずパタヤが組み込まれ、ラン島に行って射撃をするのが人気だった。しかし今は、個人で行けば数分の1の料金で楽しめると誰もが知っている。パタヤが組み込まれるツアーは、全くと言っていいほどないのだ。
今も昔もパタヤは白人の街ではあるが、その中心は夜の歓楽街で「安く遊ぶ」白人であった。現在はしかし、そういった層の白人さえも少なくなってきた気がするほど、裕福な欧米人が昔の日本人に代わり、街の物価を確実に上昇させているのである。
パタヤは今後、妖しいオープンバーが劇的に減り、掘っ立て小屋のような土産物屋も一掃されて、ハワイのようなおしゃれな街になっていくだろう。日本人にとって、それもバンコク在住の日本人が週末で訪れるだけの、ゴルフの帰りに寄ってみるだけの魅力しかないパタヤが、どのように変貌していくのか注目したい。
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