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タイ新憲法案支持57%、東北は反対6割

2007年8月19日(日) 20時14分(タイ時間)
【タイ】19日に投票が行われたタイ新憲法案への国民投票は、タイ警察によると、同日午後10時、開票率94.4%の段階で、賛成1406万票(約57%)、反対1007.8万票(約41%)、無効48.3万票で、可決が確実となった。投票率は5割をやや上回った。賛成は南部で8割以上、バンコク、中部で6—7割に達したが、北部は賛否がほぼ半々、最大の票田である東北部は反対が6割に達した。

 新憲法案への反対を表明していた前与党・タイ愛国党(TRT)主流派(タクシン前首相支持派)は大勢判明後、ジャトゥロン前党首代行が、新憲法案の受け入れを表明、事実上の敗北宣言を行った。しかし、新憲法案が否決されれば民主政治復帰が遅れる可能性があった上、軍事政権が放送メディアや兵士、官僚を動員したことを加味すると、同派は逆境の中、善戦したといえそうだ。

 特に同派が東北部で事実上勝利したことは、年末に予定されている下院総選挙を占う意味で、非常に大きい。ライバルの野党・民主党は人口の少ない南部が地盤なため、東北部で勝てなければ、南部とバンコクで圧勝する以外ない。TRT主流派の優勢をみて、これまで旗幟(きし)を明らかにしてこなかった各地方の有力政治家、政治派閥や軍の一部が同派との提携、協力に動く可能性もあり、軍政、クーデター勢力は求心力維持に苦労しそうだ。

 新憲法案は、昨年9月のクーデターでタクシン政権を追放、1997年憲法を廃棄したタイ軍政が作成した。上院の一部を任命制にするなど、官僚、エリート層によるコントロールを強化し、選挙で選ばれた政府の権限を削減する内容となっている。投票前に行われた各種世論調査では、内容に不満ながらも政局安定化のため賛成票を投じるという回答が多数を占めていた。

 一方、国民投票と同じ19日に行われた英サッカー、イングランドプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド対マンチェスター・シティの試合は、昨季優勝のマンUの猛攻をしのいだマンCが1対0で勝利し、今季開幕3連勝を飾った。イングランドプレミアリーグはタイで最も人気があるスポーツリーグ。今季はタクシン前首相がマンCを買収、オーナーとなったことから、さらに注目度が増している。
《newsclip》