【タイ】ビーチリゾートとして国内外にその名をはせるパタヤも、開ける以前はひなびた漁村、村をしきっていたのは漁師だった。その村がビーチリゾートへと変貌した今でも、漁師たちがパタヤの利権を握るという構図は変わらない。
水上スクーターやパラセーリングをはじめとするマリンスポーツも、イカ売り、アクセサリー売り、いれずみ屋など、観光客につきまとうビーチでの商売も、ビーチロードに所狭ましと並ぶ土産物の露店も、あやしいネオンで客をひくオープンバーも、しきっているのは昔からの地元の漁師やその子供・孫たちだ。
ラン島ツアーもしかり。世界各地から集まってくる外国人観光客も、バンコクから週末旅行で訪れるタイ人も、漁師たちの船がなくては島に渡れない。島では体験射撃や水上スクーターが人気。特に一般市民が周囲を気にせず銃を撃てる環境は、一種の治外法権といっていい。
その利権の構図に、少しずつ変化が現れ始めている。利権が漁師たちの手から徐々に、パタヤ市(行政機関)や観光業界に移ろうとしているのだ。漁師は船を持っていても、客を連れてくる手段を知らない。「金を運んでくる」旅行業界の発言力が強くなってくるのは当然だ。パタヤ市も、「東洋のハワイ」「高級ファミリーリゾート」に生まれ変わるため、沖に浮かぶ古臭い船を旅行者の目の届かないところに追いやり、町中のみすぼらしい店を排除することを目論んでいる。
パタヤ市や観光業者の攻勢に、漁師たちは守勢に立たされているわけではない。自ら旅行代理店を立ち上げて旅行者を確保、自分たちの船に優先して乗せるなど、真っ向から対抗している。さらに、最近になってパタヤに流入してきた国内外の不動産業者とは、祖先の代から受け継ぐ土地を巡って、「陣取り合戦」を繰り広げる。漁師対パタヤ市・観光業者・不動産業者の利権抗争は、日に日に激しさを増しているのだ。
猥雑としたパタヤを求めにやってくる、日本人を含める外国人の「リピーター」は、確かに健在だ。しかし、今のようなパタヤがこのまま生き延びることはないだろう。ハワイに及ばずともファミリーで楽しめるリゾートを目指して行政も必死で、いずれ健全化は達成されるであろう。漁師、行政、観光業界は、利権を巡って争っているとはいえ、それぞれがそれぞれを必要としている。
沖合の船はいずれ消えるのか、マリンスポーツは整備されていくのか、ビーチロードの露店はデパート、ショッピングセンターへと姿を変えていくのか……。彼らが将来、どこでどう折り合いを付けるかが注目される。
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