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タイ空港運営のAOT、社長に現役空軍少将

2007年9月27日(木) 22時03分(タイ時間)
【タイ】タイの主要空港を運営する国営企業エアポーツ・オブ・タイランド(AOT)は27日の取締役会で、チャナ・ユーサターポン空軍兵站部長(空軍少将、54)を社長に選出した。AOTは会長がサプラン陸軍大将(10月1日から国防省副次官)、社長が空軍出身者となり、陸軍と空軍が利権を分け合う構造になりそうだ。

 AOTは社長を公募し、最終選考に民間企業経営者2人とチャナ氏が残った。チャナ氏は空軍利権の象徴だったドンムアン空港(旧バンコク国際空港)を国際空港として再活用する案を提示し、取締役会の賛同を得たという。ドンムアンの利用については、国際航空運送協会(IATA)などが利便性、コストを理由に強く反対している。

 チャナ氏は10月半ばに就任する見通し。給与は月額40万バーツ以上。

 タクシン前首相は在任中にAOTとタイ国際航空の取締役会から軍人排除を進め、経営陣に外部の民間企業経営者を起用した。昨年9月のクーデターでタクシン政権を追放した軍部は、直後にサプラン大将をAOT会長に送り込むなど、航空利権の再確保を進めている。

 AOT(旧タイ空港公社)はタクシン政権時代の2002年に株式会社化され、04年にタイ証券取引所(SET)に上場した。スワンナプーム国際空港(バンコク)、ドンムアン空港、プーケット空港、ハジャイ空港、チェンマイ空港、チェンライ空港を運営し、今年上半期は総売上高173.2億バーツ、最終利益15.6億バーツだった。

 スワンナプーム国際空港は昨年9月29日の正式開港の10日前にクーデターが起き、開港式典が行われないまま、現在に至っている。滑走路、誘導路のひび割れや米国製爆発物探知器の導入をめぐる贈収賄疑惑、空港とバンコク都心を結ぶ電車路線建設の遅れと贈収賄疑惑などで、今年2月に社長が辞任。その後も、免税店の事業権契約破棄、騒音公害に悩む周辺住民による空港内での抗議集会といった問題が浮上している。

 また、プーケット空港では9月16日にタイの格安航空ワントゥーゴーの旅客機が着陸に失敗、大破炎上し、90人が死亡した。


〈チャナ・ユーサターポン〉
1952年生まれ。空軍士官学校卒。2005年10月から空軍兵站部長。
《newsclip》