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タイ国鉄のスト、軍政内紛の飛び火説も

2007年11月4日(日) 10時35分(タイ時間)
【タイ】タイ国鉄(SRT)の労働組合が10月31日、事前通知なしに全国規模のストライキを決行し、通勤、通学客ら約2万人と貨物輸送に影響が出た。ストは同日中に終息したが、労組が掲げるストの動機に説得力がなく、タイの新聞各紙は、軍政の内紛が飛び火した可能性を指摘している。

 タイの国営企業ではストが禁止されているため、SRTの一部職員が31日に病欠したり職場放棄する形で列車の運行を止めた。労組はスト決行から数時間後、11月1日の日本・タイ経済連携協定(JTEPA)発効を受け、政府がSRT貨物部門の民営化を計画していると主張。民営化の撤回と、経営陣の汚職疑惑の捜査などを要求した。運輸省、SRTが労組の要求をほぼ全面的に受け入れ、バンチャーSRT総裁代行を解任したことから、同日夜、ストの中止に同意した。

 政府によると、SRTの民営化計画は今のところなく、JTEPAとは無関係。汚職疑惑も以前から表ざたになっている問題ばかりだった。突然のストを正当化する理由が乏しいことから、運輸行政をめぐりティーラ運輸相(元海軍司令官)らと激しく争ったバナウィット国防省顧問(海軍大将)の関与を疑う声もある。バナウィット氏はクーデター勢力の強硬派に属し、スラユット首相らと対立。10月付で国防副次官から顧問に左遷され、この人事を不満とし、首相とブンロート国防相を告訴した。

 SRTは鉄道の総延長4300キロ、職員数2.6万人。運賃を低く抑える政策のため慢性赤字で、2005年10月—2006年3月決算は総収入44億バーツ、最終赤字26.7億バーツだった。06年3月末で累積赤字349億バーツ、負債669億バーツを抱える。
《newsclip》