RSS

ウィシット・スパカラポンクン医師(50)

2007年12月29日(土) 10時10分(タイ時間)
Wisit Supakarapongkul, M.D.

 1957年、バンコク都出身。マヒドン大学卒。婦人科疾患の腫瘍・がんの専門医。

——婦人科のがんにはどんなものがありますか?

 子宮頸がんと子宮体がん、そして卵巣がんなどがありますが、子宮頸がんはタイ人女性の死因トップに上がっており、非常に身近で深刻な病気です。2003年の統計では、タイ人女性の4000人に1人が子宮頸がんに罹っており、毎年7500人ずつ患者が増加しています。死亡率は約50%で、毎年約3000人(1日平均9人)の患者が亡くなっています。

 日本では毎年8000人近くの患者が増え、その約半数がすでに危険な状態だといいます。日本人女性の子宮頸がん患者の死亡率は高く、その原因は発見が遅かったためです。

——どんな検査で発見できるのですか?

 子宮頸がんは、細胞ががんに変異する約10年前から、前がん病変 (患部の異変)を検査で発見することができる病気です。

 広く行われている検査はパップスメア(子宮頸部細胞診)と呼ばれているものですが、日本人女性でこの検査を受けている人はわずか24%だそうです。パップスメアは簡単な検査で精度も限られていますので、結果の如何に関わらず疑問があれば必ず専門医に相談し、コルポスコピー(膣鏡診)を受診されることをお勧めします。コルポスコピーは患部を20倍まで拡大して観察する方法です。疑わしい部分の細胞を採取し病理検査にかけるので、より高い精度の結果が得られます。

——治療方法は?

 前がん病変とがんでは治療方法に大きな違いがあります。前がんであれば15分ほどで終わる簡単な手術で、入院の必要もありません。子宮頸部の一部を切除するだけなので、術後は月経もありますし、妊娠も可能です。しかしがんに進展していれば、病期によっては子宮や周辺まで切除する大手術となります。手術が施せないほど進行している場合は、放射線療法を用います。

 子宮頸がんは早期発見によって予防や治療ができるがんです。25歳を過ぎたら、年に一度はパップスメアを、疑わしい場合はコルポスコピーを受けましょう。

——がん発症の原因はなんですか?

 現在、子宮頸がん発症の9割以上が性行為によるHPV(ヒト乳頭種ウィルス)感染によるものとされています。HPVは100種類以上も型がありますが、子宮頸がんを発症させるのは15種類ほどと限られています。さらに、発症原因の7割を占めるのは2種類(HPV16型と18型)で、これらはハイリスクHPVと呼ばれています。

 HPVに感染しても自然治癒することも多く、必ずがんに進展するわけではありません。しかし治癒しなかった場合はゆっくり時間をかけて子宮頸がんに進展します。性行為によるHPV感染率は高く、性行為経験のある女性は、65歳まで毎年検査を受けましょう。陰性であれば、それ以降の検査頻度を下げても大丈夫です。

——子宮頸ガンの予防法はありますか?

 HPV感染からがん発症につながる大きな要因は喫煙、若年の性行為、複数のパートナーとの性行為、長年のピルの服用などです。

 ハイリスクHPVの16型と18型の感染予防ワクチンが開発されています。ワクチンはガーダシル-Gardasil (MSD社製)とサーバリクス‐Cervarix (GSH社製)があり、どちらも欧米、オセアニア諸国の医薬食品局の規格に準じています。強い副作用はなく、接種から約5年以上効果があります。弊院ではGardasilを使用していますが、ワクチン接種後も年に一度の定期検診を受けることは大切です。パップスメアの精度は以前より上がっていますし、一番の予防法は、定期検診だということをお忘れなく。

 ワクチンの予約や婦人科系がんのご相談などは日本語窓口までご連絡下さい。

——ありがとうございました

バムルンラード・インターナショナル
ウェブサイト: www.bumrungrad.com
電話:0-2667-1501 (日本語窓口) 0-2667-2385~6 (産婦人科)
   0-2667-1555 (タイ語および英語での診察予約)
   0-2667-2999 (緊急時)
《newsclip》