RSS

広がり進化する「日本人相手」 タイ東部シラチャー

2008年1月18日(金) 13時52分(タイ時間)
 東部チョンブリ県シラチャーに日本人の姿が目立つようになって十数年、バンコク同様の待遇で暮らす駐在員もいれば、経費を抑えた短期出張者、さらには現地採用の日本人と、その生活スタイルは様々だ。その多種多様な日本人に接し、「日本人は皆金持ち」という思い違いに気付き始めた地元のタイ人事業者たちが、ローカル向けの商売を日本人にも対応させるようになってきた。

 特に多いのがアパートと飲食店。アパートの場合、これまで日本人向けは月3万バーツ前後の外国人専用の物件しかなく、予算をもっと抑えたいという人は、タイ人向けアパートに住んでいた。主にタイ人向けということ自体は変わらないが、NHKが受信できるようにしたり、湯沸かし器を設置したりと、「日本人OK」を打ち出すアパートが増えてきた。賃料は月6000—1万バーツ程度。これらのアパートはもちろん大手のデベロッパーではなく、個人事業のタイ人たちが営んでいる。日本人相手の商売は大資本企業だけの専売特許ではないのだ。

 飲食店もしかり。これまでタイ料理店といえば、店の作りも味付けも、いかにもローカルだった。これが最近は外国人にも合うような内装を施し、味付けにも工夫する店が増えた。「入るのに気が引ける」というみるからにタイ飯屋という雰囲気はなくなり、従業員の対応は良くなり、メニューは英語併記で写真付き、日本から来たばかりの人たちも気軽に入れる店に様変わりした。日本人にとってはこれまで、「夕食は日本食」が中心だったが、そこにタイ料理がごく自然に加わるようになった。

 最近はまた、新たに開店するタイ料理店で日本食も出すようになり、これがけっこう食べられる味。タイ人向けの富士レストランにいたっては、「変な日本食屋よりマシ」と評する日本人も多い。街で成功している日本食屋は、「日本人が自ら厨房で包丁を握る」店のみ。飲食業経験のない日本人の経営者が、タイ人に任せて営業する中途半端な居酒屋は、どこも開店休業の状態だ。

 そのほかに目立つ店といえば喫茶店。国際的チェーン店のスタバやオーボンパンに追随する、地元のおしゃれなカフェやベーカリー・ショップが増え、時間を持て余す駐妻さんたちが違和感なくハシゴしている。

 「シラチャーってどういうところ?」と聞かれ、ついこの間までは「日本人相手の居酒屋、カラオケ屋、マッサージ屋しかないところ」と答えるのが普通だった。しかし今はそのイメージが払拭されつつある。もはやまったく進化していないのが、「居酒屋、カラオケ屋、マッサージ屋」になってしまった。

執筆者:筧由希夫氏(パノラマ・インターナショナル・マーケティング代表取締役)
《newsclip》