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ベトナム人出稼ぎメイド、雇い主は実父

2008年1月22日(火) 21時28分(タイ時間)
【ベトナム】ベトナムから台湾にメイドとして出稼ぎに行った女性の雇い主は、偶然にも実父だった?。映画よりも劇的な親子再会劇が話題になっている。

 22日付台湾紙自由時報などによると、台北県新荘市に住む蔡漢朝さん(77)は先ごろ、脳卒中で倒れた妻の看護を依頼するため、ベトナム人メイドとしてチャン・ティ・カムさん(40)を7カ月雇った。その後、蔡さんの妻が亡くなったため、カムさんは金門島の別の家庭に働き先を移したが、1カ月後に蔡さんの元にカムさんから「大切な物が入った袋を置き忘れた」と電話が入った。

 蔡さんがその袋を開けると、全身が震えた。出てきたのはなんと自分の若いころの写真と指輪だった。驚いて尋ねると、カムさんは「母親が実の父親の形見として残したものだ」と答えたのだった。指輪には蔡さんの名前が刻み込まれていた。

 話を聞いて、蔡さんに若いころの恋の記憶がよみがえった。30代のころ、蔡さんは香港に出張に行った際にベトナム人女性と短くも激しい恋に落ち、別れ際に写真と指輪を贈ったのだった。実はその時、女性は蔡さんの子供を身ごもっていた。しかし、故郷の母親が重病にかかり、女性は後ろ髪を引かれる思いで蔡さんのもとを離れ、ベトナムで1967年に女児を出産した。それがカムさんだった。

 母親はベトナム戦争のさなか、香港に戻ることもできないまま、カムさんを産んで2カ月後に他界した。そして、亡くなる間際に姉に形見の品を託していた。その後、カムさんは1989年に結婚する際、おばから出生の秘密を打ち明けられた。そして、台湾でもしかしたら実父に会えるかもしれないという期待から形見の品を携えて出稼ぎに来ていたのだった。カムさんは電話の向こうで「お父さん、ずっと苦労して探していました」と声を震わせた。

 その後のDNA鑑定でも親子関係が証明された。娘の存在さえ知らなかった蔡さんは、「まさか実の娘をメイドとして雇うなんて、夢にも思わなかった」と偶然のめぐり合わせに驚きつつ、喜びを噛みしめている。カムさんは台湾への再渡航手続きのためベトナムに帰国中。蔡さんは心臓病のため、台北市内の病院に入院しているが、娘との再会の日を一日千秋の思いで待ち焦がれている。
《newsclip》