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専門家に聞くタイでの安全対策 (1)

2008年3月5日(水) 04時22分(タイ時間)
戸島 國雄 氏 
国際協力機構(JICA)シニアボランティア、タイ警察大佐


 「水と安全はタダ」といわれた日本でも最近は治安が悪化し、事件や事故に巻き込まれないよう、日ごろから注意しなければならない時代となっている。タイは銃器や薬物が容易に入手できることから、日本の数倍、数十倍の割合で、事件・事故が発生、多くの日本人が巻き込まれている。在外公館別の日本人援護件数では、この数年タイがトップ(2007年は1703件)。死にいたる事件・事故も多く、同年の死亡者数は、病死、自殺、事故死などを含め60人に達する。「自分の身は自分で守る」という意識のもと、安全対策に取り組んでいきたい。


—多発するスリ、ひったくり、置き引き

 タイで最も多く発生する日本人絡みの事件は、現金そのほかの貴重品を狙ったスリやひったくり、タクシー内を含む置き引きだ。2007年は在タイ日本大使館に206件の報告が挙がっている。旅券関連は盗難201件、遺失・焼失160件で、計361件に達する。

 発生場所は、ウィークエンドマーケットをはじめとする市場、高所得者が集まる高級デパート、朝のチェックアウト時のカウンターといったホテル、空港、サイアム駅をはじめとする高架鉄道BTSや路線バス内など。BTSの駅構内やデパートなどでは、エスカレーターでスリ集団に前後を挟まれ、財布などをスリ取られる。

 被害に遭わないために、当然のことながら多額の現金や高価な貴金属を持ち歩かない。旅券はすぐに取り出せない場所にしまう。人目を引く派手な服装はせず、女性は肌の露出度に注意。買い物の支払い時は財布が目立たないよう気を付け、街中を歩くときは、車道側にバッグを持たない。


—いかさま賭博にキャッチセールス

 旅行者の被害が多いのが、いかさま賭博にキャッチセールス。いかさま賭博は、「ホームパーティーをするから一緒に来い」「妹が日本に行くから情報を教えて欲しい」などと声をかけられる。自宅と称する家に誘われ、「ブルネイの金持ちをカモにしよう」とブラックジャクなどのトランプ賭博に引き込まれ、最初は勝ってその気になり、最後に負けて大金を巻き上げられる。

 昔から変わらぬ手口だが、2007年には25件の被害報告が挙がっている。中には被害が1500万円にも達したケースもある。声を掛けられやすいのは、BTSの駅、サイアムスクエア、ホテル周辺、ウィークエンドマーケットといった市場など。予防策は、常識的なことながら、見知らぬ人の誘いには乗らない。

 宝石・ブランド品などのキャッチセールスの被害報告は、2007年が16件。観光中、特にエメラルド寺院・王宮前で、「今日は休みだから(もしくはもう閉まったから)入れない。ほかの場所に案内する」と、トゥクトゥク(三輪タクシー)のドライバーに声を掛けられ、行った先でそれぞれ別の者から、「タイ政府の宝石フェアで大幅な割引がある」「日本に持ち帰って売れば数倍になる」などと言われ、信じ込んでトゥクトゥクに連れて行ってもらい、二束三文の品を高額でつかまされるとうもの。これも使い古された手口だが、被害が絶えることはない。ガイドブック、タイ観光庁(TAT)、口コミなどで情報を集めることが大切だ。


事件・事故の際の緊急連絡先:ツーリストポリス 電話番号1155(24時間日本語可能)
《newsclip》