RSS

マレーシア総選挙、野党が大躍進

2008年3月9日(日) 07時42分(タイ時間)
【マレーシア】8日に投開票されたマレーシア下院総選挙(小選挙区、定数222)は、与党連合・国民戦線(BN)が過半数は守ったものの、野党の大幅な躍進を許し、事実上歴史的な敗北を喫した。同時に行われた州議会選挙でも野党はこれまで唯一政権を握っていたクランタン州に加え、新たにクダ、ペナン、ペラ、スランゴールの各州で過半数を獲得した。

 選挙委員会によると、9日午前5時半(タイ時間)現在、与野党の獲得議席数は与党連合が136議席、野党が82議席で4議席が確定していない。与党は9割の議席を獲得した2004年の総選挙(定数219)の198議席に比べ、大幅に議席を減らした。これに対し、野党は反与党の象徴的存在であるアンワル元副首相が率いる人民正義党(PKR)が31議席、都市部に強い民主行動党(DAP)が28議席、クランタン州に強固な地盤を持つ全マレーシア・イスラム党(PAS)が23議席の計82議席を獲得し、04年の20議席から一気に議席数を4倍に伸ばした。

 アブドラ首相は9日未明に記者会見し、「有権者が与党に(安定多数)の3分の2を与えない決定を下したということだ」と述べた上で、進退については「辞任しない」と明言した。

 与党議員ではペナン州のコー・ツークン首相(人民行動党党首代行)、サミー・ベル公共事業相(マレーシア・インド人会議党首)、シャリザット女性家族社会開発相、ザイヌディン・マイディン情報相など大物議員が相次いで落選した。特に1974年から議席を守ってきたサミー・ベル公共事業相の落選は政府の汚職イメージに対し、有権者がノーを突き付けたことを象徴した格好だ。

 今回の総選挙では、与党連合が過去に例を見ない大苦戦を強いられた。インド系住民の大規模デモに象徴されるように与党のマレー系優遇政策(ブミプトラ政策)にきしみが生じ、民族間の対立が高まったことに加え、野党は汚職のまん延、物価上昇などで与党を徹底攻撃し、非マレー系を中心に支持を集めた。下院ではこれまで与党連合が圧倒的多数を占め、野党は発言権が制限されていたが、今回の躍進により一定の影響力を確保した。さらに、州議会では野党が5州で政権を獲得し、与党は今後地方との「ねじれ現象」に苦しい対応を迫られる。
《newsclip》