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映画から不動産、若手事業家ウィラット氏

2008年3月27日(木) 12時24分(タイ時間)
President of Box Office Entertainment Co.,Ltd.
President of Paradise 2 Co.,Ltd.
President of Box Asset Co.,Ltd.


 1963年生まれ、バンコク出身。実家は50年の歴史を持つステンレスの輸入販売会社を経営。チェンマイ大学工学部(電気専攻)卒業後、チュラロンコン大学でMBAを取得。エンターテインメントと不動産の世界で精力的に事業展開を続けている。株式投資家としても知られる。

 中国系の家庭に生まれ、私以外の3人の兄弟は家業を継いだ。私は自分の能力に賭けてみたいという思いを捨てきれず、2004年に独立した。家族は私の独立と現在の成功を祝福し、私が経営する各社の株主となって支えてくれている。

 最初に手がけたのは、友人と共同出資した外国映画の輸入・配給と国内映画の製作・輸出を行うボックスオフィス・エンターテインメント社だ。輸入しているのはワーナー・ブラザーズ社など大手のものではなくインディーズ作品がメインで、コストは国内映画の製作費ほどかからないが、興行収入は芳しくない。上映した作品は全てVCDにして販売している。

 今年の売上目標は1億5000万バーツ。年内に4本の映画を製作する計画だ。最初の1本は7チャンネルのドラマの顔として人気の女優プライヤー・スワンドークマイ(プー)と俳優ドーム・ヘートラクーンが共演する「Bangkok Adrenaline」(年内に封切り予定)。この作品はタイ・オリジナルのムエタイ・アクション・ムービーとして外国に売り出す計画で、国内の興行収入と輸出による売上げ合計で5000万バーツを見込んでいる。

 自社作品のオープニングのためバンコク近郊のリゾート地パタヤへ行ったときのこと。ジョムティエン・ビーチから1キロほど内陸のテーププラシット通りで売り出し中だった土地(約1万9200平方メートル)に興味を持った。映画ビジネスが軌道に乗り始め、新たなビジネスを検討中だった私は早速その土地を購入し、最初の分譲住宅プロジェクト「Pattaya Paradise The Exclusive Living」に着手した。これが不動産会社パラダイス2設立の経緯だ。このプロジェクトのメインターゲットは外国人で、セキュリティ完備の注文住宅を33戸建設する。住宅は3タイプ用意してあり、敷地面積はタイプによって157—204平方メートル、価格は750万—1200万バーツ。建設にハイテク・システムを導入しているため、着工から完成まで4カ月という早さだ。投資総額は約2億5000万バーツ。現在までに5戸販売し、顧客は全てタイ人配偶者を持つ外国人だ。

 第2のプロジェクト(ボックスアセット社)は、バンコク都内ラチャダピセーク通りのショッピングセンター、エスプラネード裏に建設中のショッピングコンプレックス「Box Zone @ Ratchada」。敷地面積は3000平方メートル、投資額は約1億5000万バーツ。娯楽施設とコミュニティモールが同居した大型商業ビルで、独自のライフスタイルを楽しむ若い世代がターゲットだ。ショッピングエリアやレストランだけでなく、映画のオープニングパーティやミニコンサートも開けるイベントスペースを擁している。この界隈はエスプラネードのオープン以来、若者の注目度が高まった。ルムピニ・ナイトバザールの存続が危ぶまれている中、ルムピニのテナントや買い物客からも注目が集まっている。

 新たな不動産プロジェクトの準備も進めている。パタヤのアランカーン・シアター近くにある約4万平方メートルの土地がそれで、商業ビルやコンドミニアムを建設する合弁事業について土地の所有者と交渉中だ。
 南部プーケット県では、1戸当たりの販売価格が約100万米ドルの高級分譲住宅プロジェクトを構想中だ。数年前に購入した更地(合計約6万4000平方メートル)に建設する予定だが、これから具体的なプランを立てていくことになる。

 北部では、私が株の40%を所有しているパンプレム社(資本金3億5000万バーツ)がヴィラ・タイプの高級ホテルをチェンマイ県ウィアンクムカムに建設する。ピン川に面した約6万4000平方メートルの土地に79戸のヴィラを建設、そのうち25戸は分譲住宅として販売する。ホテルは来年末にオープン予定で、マイナー・グループに運営を委託する。

 私は事業を行う際、投資総額の20—25%を自己資金でまかない、残りはメインバンクであるカシコン銀行とサイアム商業銀行の2行から融資を受けることが多い。

 株式投資家として私の名が知れ渡っていると聞く。買った株が高騰すると、資金の出所などについて興味を持たれるようだ。実際のところ、私は富裕な家の出身で、私自身や実家の事業に有益となるような株の買い方をしているだけで、マネーゲームを楽しんでいるわけではない。それが結果的に株価の上昇につながっただけだ。例えば私と家族はトラフィック・コーナー・グループ(TRAF)の株を約25%所有しているが、これもTRAFの経営を目的としたものではない。メジャー・シネプレックス・グループ(MAJOR)が買い占めたことで株価が上昇し、私も家族もまるで宝くじの1等賞を当てた気分になっている。メジャー・シネプレックスと同じ企業の株主になったことで、私自身の事業(エンターテインメントと不動産)について大手のメジャーから多くのことを学べるものと期待している。

 私が最も重視していることは、家族や友人たち、従業員ひとりひとりのために事業を安定させるということだ。株も事業も、私1人で運営しているのではないことを常に肝に銘じている。
《newsclip》