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神経耳科、サオワロット医師 (バムルンラード総合病院)

2008年6月14日(土) 13時07分(タイ時間)
サオワロット・アサワウィチアンジンダー医師
神経耳科専門医

Assoc. Prof.Dr. Saowaros Asawavichianginda
Board of Oto-Rhino-Laryngology

 マヒドン大学卒。チュラロンコン大学医学部耳鼻咽喉科準教授を兼任。専門は「めまい」や「聞こえ」に関する検査(内耳機能検査、聴性脳幹反応検査など)と治療。

——ご専門の神経耳科についてお聞かせ下さい

 めまい、難聴、耳鳴りなどの平衡障害や聴覚障害、メニエール病、BPPV(良性発作性頭位めまい症)など様々な病気や異常の検査・治療が神経耳科の領域です。BPPVとは、耳石(カルシウムの結晶)が三半規管の中に入り込んでしまい、ひどいめまいや吐き気を起こす病気で、中高年に多く発症します。患者数は増加傾向にあります。

 平衡障害は、直立姿勢を保つための平衡受容器や脳幹など中枢神経の機能が低下、または機能していない状態です。めまいが起きたら、運転など注意力を必要とする行動は避けてください。

——メニエール病とはどんな病気なのですか?

 内耳の膜のリンパ液の量が増えすぎて水腫となり、神経を圧迫して聴覚機能に障害をもたらす病気です。症状はめまいや吐き気、耳鳴り、耳詰まりなど、片耳の異常です。両耳に異常を覚える患者は全体の15%と少数で、発症年齢は20—50歳です。めまいは聴力低下を伴い長時間続きます。

——どんな治療を施すのでしょうか

 病期によって違いますが、食事療法、薬物療法、そして外科的療法(手術)があります。

 早期なら生活改善で経過をみます。塩分摂取量を控えることが大切です。コーヒーを禁止する場合もあります。薬物療法ではジメンヒドリナート(dimenhydrinate)やスコポラミン(scopolamine)など、めまいや吐き気を抑える薬を使いますが、長期間の服用はできません。症状が重い場合や薬で改善されない場合は手術を行うこともあります。内耳に穴を空けてリンパ液を排出させ、神経への圧迫を取り除きます。

 これらの症状を長い間治療をせずに放置しておくことは危険です。ほかの病気と同様、悪化してからでは治療が困難になり完治の見込みが減少するからです。何か異常を感じたら検査を受け、症状の原因を探るのが先決です。

——検査はどのように行うのですか?

 電気を使って内耳から脳幹までの機能を検査します。出血や痛みを伴わず、検査時間は30分から1時間ほどです。そのほか、患者自身が様々な姿勢をとり、平衡感覚に異常がないかも調べます。耳に水を入れてめまいの度合いを調べるENG検査(Electronystagmography:電気眼振検査)は1時間から1時間半ほどで終了します。強制的にめまいを起こす検査ですが、身体に影響はないのでご安心下さい。

——家庭で心がけることはありますか?

 めまいなど平衡障害に有効な体操をしましょう。体操をする際は、倒れても安全なように周囲に物を置かず、万が一に備えて誰か立ち会いのもとで行ってください。

 最初は1日2、3セット、慣れてきたら回数を増やします。

1. 頭を左右交互に倒します(5—10回)。初めはゆっくり、少しずつ速くします。同様に前後に曲げ伸ばします。

2. 12メートル先の対象物(絵や物など)に焦点を合わせたまま、頭を左右に動かします(5—10回)。同様に前後にも曲げ伸ばします。

3. 腕を伸ばしたまま、手に持った対象物を左右交互に動かし、頭もその方向に動かします(5—10回)。同様に前後にも動かします。

4. 直立の姿勢で片足を胸に近づけ、頭を左右に動かします(5—10回)。同様に前後にも動かします。

5. 一本の線上を歩くように、狭い歩幅で歩きます。慣れてきたら、目を閉じた状態で行います。バランスを失って倒れる危険があるので、ご家族の目が届くところで行ってください。

 症状が改善されてきたら、頭、目、身体を使うスポーツ(テニス、バドミントン、卓球、ゴルフなど)も始めましょう。平衡機能の改善にさらに効果的です。

——ありがとうございました

バムルンラード総合病院
33 Sukhumvit 3, Bangkok 10110 Thailand
URL:www.bumrungrad.com
耳鼻咽喉科
電話:0-2667-1541, 0-2667-1555(予約), 0-2667-2999(救急)
《newsclip》