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反タイ政府派、20日に首相府包囲

2008年6月18日(水) 20時22分(タイ時間)
【タイ】反タクシン元首相派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」は20日午後にバンコクの首相府前で大規模な反政府集会を計画している。国営企業労働組合もPADに同調する動きをみせており、参加者は数千—1万人規模になる見通しだ。

 PADはこれまで、改憲や経済失政、汚職などで政府を批判してきたが、今回は「カンボジアとの国境交渉で国土を譲り渡した」と領土問題を持ち出した。発火性の高い話題を取り上げ、参加者の人数と士気を引き上げるのが狙いとみられる。

 在タイ日本大使館は20日の集会について、「集団同士の小競り合いによる衝突や、警察の鎮圧介入等が発生する可能性」が排除できないとして、在留邦人に注意を呼びかけた。

 PADは2006年春に数万人規模の反タクシン政権街頭デモをバンコクで連続開催し、同年9月の軍事クーデターの伏線を敷いた。昨年末の総選挙でタクシン派のサマック政権が成立したことから、5月下旬にバンコクで反政府集会を再開し、政府に揺さぶりをかけている。

 PADを実働部隊とする反タクシン派のシナリオは、2006年同様、街頭デモで政情不安をあおり、軍事クーデターへの道筋をつけることとみられる。6月に入ってからは、PADが街頭デモの矛先を選挙委員会や外務省などに広げる一方、18日に野党民主党が閣僚不信任案を提出、プミポン・タイ国王の相談相手として知られるプラウェート医師がタクシン氏に再度政界引退を勧告するなど、タクシン派包囲網が動き出しているようだ。

 ただ、前回のクーデターの成果が乏しく国民に不評だった上、再度クーデターがあれば、国際的な信用失墜、経済への打撃は避けられない。インフレの加速や貿易赤字の拡大など、タイ経済を取り巻く環境は厳しさを増しており、カギを握る軍部が反タクシン、反サマックでまとまるかどうかは微妙とみられている。
《newsclip》