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列車内で警官ら4人射殺 タイ深南部

2008年6月22日(日) 20時06分(タイ時間)
【タイ】21日、タイ深南部ナラティワート県を走行中のタイ国鉄(SRT)の車内で銃撃事件があり、SRT職員3人と警官1人が死亡、警官1人が重傷を負った。深南部の分離独立を求めるイスラム過激派の犯行とみられている。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。

 事件があったのはマレーシア国境の町スンガイコロクからヤラー市に向う列車で、乗客約100人が乗っていた。途中の駅で乗り込んだ複数の男が軍用ライフルなどで警官らを次々に撃ち、速度が落ちたときに列車から飛び降り逃走した。

 ヤラー—スンガイコロク間では20日に列車が外から銃撃を受けたほか、22日には線路近くで爆弾がみつかり、爆発前に処理された。SRTは事件の多発を受け、23日からハジャイ—ヤラー—スンガイコロク間の運行を停止する。

〈タイ深南部〉
 ナラティワート、ヤラー、パタニーの深南部3県にはもともとイスラム教徒の小王国があったが、約100年前にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域となっている。行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 タイからの独立を目指すイスラム教徒住民の武装闘争は断続的に続き、タクシン政権が発足した2001年から活発化した。警察派出所が襲われ一晩で警官十数人が殺害されるなど、2003年までに数百人の死者が出たが、政府は「山賊の仕業」として、独立運動の存在を認めていなかった。
 2004年1月に軍の武器庫が襲撃され、兵士4人が死亡、大量の兵器が強奪される事件が起き、これを機に「山賊」は「テロリスト」となった。同年4月には、警察派出所や軍駐屯地を同時襲撃したイスラム過激派を治安当局が迎え撃ち、1日で過激派108人、治安当局側5人が死亡した。10月にはナラティワート県タークバイ郡のイスラム教徒住民3000人が警察署前で抗議デモを起こし、約1000人が逮捕され、治安当局による発砲などで7人が死亡、逮捕された住民のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
 両事件後、過激派はテロの標的を兵士、警官から教員、一般市民に広げた。治安当局によるとみられるイスラム教徒住民の殺害・失そうも増えた。過去4年半のテロ関連の死者は、イスラム教徒、仏教徒の双方を合わせ3000人を超える。
《newsclip》