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カンボジア、タイ国境の山上遺跡を閉鎖

2008年6月24日(火) 00時56分(タイ時間)
【カンボジア、タイ】カンボジア政府は23日、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー遺跡「プレアビヒア(タイ側呼称、カオプラウィハーン)」の一般参観を中止し、周辺国境に軍を増派した。プレアビヒアの世界遺産申請にタイ政府が合意したことに対しタイ国内で批判が強まっていることを受けた措置とみられる。

 タイの上院議員、王族、学者ら300人は24日、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に対し、プレアビヒアの世界遺産認定に反対する陳情書を提出する予定。野党民主党はサマック首相とノパドン外相がカンボジアとの交渉で国益を損なったとして、23、24日に下院で行われる閣僚不信任案審議で、「すべてのタイ人の国会議員」に対し、首相と外相に不信任票を投じるよう呼びかけた。

 プレアビヒアはクメール王国が11—12世紀に建立したとされる寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、世界遺産申請の妨げとなっていた。

 両国は今回、カンボジアがプレアビヒア本体のみを世界遺産に申請し、周辺地域を含めないことで合意し、18日、共同コミュニケに調印した。しかし、カンボジアが用意したとされる遺跡周辺の地図が公開されなかったため、タイの反政府団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」や民主党が、タクシン元タイ首相のカンボジアでのビジネス権益と引き換えにカンボジア側に有利な国境画定を飲んだなどとして、タイ政府を批判している。

 タイは文化や言語の相当部分をカンボジアから輸入したが、こうしたことは一般的にはあまり知られておらず、過去数世紀国力が衰えたカンボジアを見下す傾向が強い。カンボジアではタイ側の態度、優越感に対する反感が強く、2003年には、タイ人女優が「アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起き、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。
《newsclip》