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外資系不動産コンサルタントから見たタイ不動産市場(2)

2008年6月27日(金) 23時23分(タイ時間)
ジョーンズ・ラング・ラサール
来住幸典(きしゆきのり)氏

リゾート不動産市場

 今タイのリゾート市場が急拡大している。その中でも突出して好調なのが、プーケット島の不動産である。過去5年間で土地価が約2.5倍へ跳ね上がった。現在、島内では世界の大手高級ホテルチェーンが軒を連ね、宿泊料金も上昇、ハワイに劣らない高級リゾートへと急速に変貌を遂げている。

 同島の西海岸にあるバンタオビーチ周辺はまさにビバリーヒルズ化し高級物件が軒を連ねている。3年前(津波が発生する前)から、海を眺める高級戸建て(ビラ)やコンドミニアムの販売戸数が急伸。ビラは平均販売価格が6500万バーツから1億バーツという高値にもかかわらず、英国、ドイツ、スカンジナビア諸国、豪州の富裕層が殺到、加えて中国の富豪や上海、香港、シンガポールに駐在する欧米駐在員の間でも購入需要が高まっている。

 「ビラ」と呼ばれている高級住宅物件は、1戸当りの土地占有面積が1000平米前後、建物面積が400—500平米の4—5ベッドルームの大型物件で全戸にプールが付き、オーシャンビューという超豪華版である。既に完売している分譲ビラは同じ敷地内に100室未満の小規模ホテルが存在し、オーナーの不在期間、観光客が宿泊できるホテルとして転用され、タイムシェアリングで所有者にリターンが入るしくみになっている。このスキームが好感され投資不動産としても販売を伸ばしているようだ。

 プーケットのコンドミニアムの平均販売価格は8万5000バーツ(平米単価)とバンコクに劣らず高水準で推移している。

 プーケットに劣らず、サムイ島の土地価格も高騰し、高級コンドミニアム、ビラの販売も好調だ。同島内で初めてコンドミニアム(Arisara Place)が登場、全50戸の内、41戸が完売したという。この物件はキッチンが近代的で、床に御影石や大理石が多用され、グレードの高い内装が施されている。

 パタヤではセントラル百貨店が新店舗を現在建築中で、パタヤからジョムティンビーチの間には高層のコンドミニアムが立ち並んでいる。同地域においてはロシア人の購入者が増加傾向にあるという。

 クラビでは総額1000億円をかけて作られるという「The Cove Krabi」の大規模開発計画がぶち上がった。敷地内1200ライ(1ライ=1600平米)にも及び、ヨットが繋留できるマリーナ、3つのホテル、英国人のプロゴルファー、コリン・モンゴメリーがデザインを手掛けるゴルフ場、そしてビラが建設されるという。

 フアヒンのコンドミニアムはバンコク在住のタイ人の間で根強い人気があり、センシリ社が手掛けた2つの物件は既に完売という。

 日本人ではなかなか手の出ない数億円の高級リゾート物件だが、欧州の好景気を受け英国人などの購入者が、タイの不動産はまだまだ割安という判断で積極的に買っている。デベロッパーも外国人が物件を購入しやすいように、長期リースやノミニー(指名)買いのセールススキームを充実させている。
《newsclip》