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ウジで治療

2008年7月25日(金) 23時26分(タイ時間)
ポーンチャイ・リムウドムポーン医師(50)

一般外科医
バンコク・パタヤ病院 外科
Pornchai Limudomporn, M.D.
General Surgeon, Surgery Center

 南部スラタニ県出身。北部チェンマイ大学医学部整形外科卒。1992年から東部バンコク・パタヤ病院整形外科に勤める。国内では珍しいマゴット・セラピー(無菌ウジ療法)を2年前から行っている。診察時はタイ語のほか英語、中国語での対応が可能。

——マゴット・セラピーの詳細をお聞かせください

 クロバエ科ヒロズキンバエの幼虫(ウジ=マゴット)に壊死した組織を食べさせる治療法で、ドイツで開発されました。抗生物質の効かない傷の治療に100%の効果を発揮します。幼虫は腐肉をエサとするため、壊死していない健康な組織は食べません。体内でつくられた酵素を出して組織を溶かし、液状になったものを吸い取ります。

 壊死した部分が小さい場合は、穴を空けたパックを傷にかぶせ、雑菌が混入しないよう患部を密閉します。3—4日後に幼虫を取り除き、患部を消毒します。黒みを帯びた組織は、赤色の正常な組織に回復します。

 足の糖尿病性壊疽(えそ)、褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう=圧迫が原因の潰瘍)、下腿潰瘍、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌などによる感染症のほか、火傷による壊疽の治療にも有効です。

 幼虫はドイツから輸入したハエをもとに繁殖させたもので、通常は患部1カ所につき1パック(300匹入り)を使います。国内では4つの病院でマゴット・セラピーを導入しているそうです。

 西欧では第二次世界大戦の頃から負傷兵の治療に用いられていたのでよく知られた治療法ですが、アジアではまだ馴染みが薄いようです。

——導入のきっかけは何だったのでしょうか?

 当院での始まりは2年前、イギリス人の患者の足の傷がどの抗生物質を用いても治癒しないことから、マゴット・セラピーを思い立ちました。壊死部分の摘出手術も大した効果を得られなかったからです。その患者は肝硬変も患っていたために抵抗力が落ち、感染症にかかりやすくなっていたのが原因です。私は彼にマゴット・セラピーを提案し、インターネットで彼自身が納得するまで情報を集める時間を与えました。彼はマゴット・セラピーに同意し、治療は予想を上回る結果を出しました。手の施しようがなかった傷が完治したのです。

——特に印象的なケースはありますか?

 中東からマゴット・セラピーを受けに来タイした糖尿病患者がいました。彼は主治医から足の切断は免れないと診断され、最後の望みを抱いてやって来たのです。しかし彼は2週間後には母国に帰らねばならず、私は通常よりも多い3パックを使うことで急を要する治療に臨みました。帰国後、足の切断は免れたとの知らせを受けました。マゴット・セラピーのメリットは危険な手術を回避させるだけでなく、回復を早め、抗生物質の使用量も減らせることです。

——最後に、バンコク・パタヤ病院整形外科について

 当院整形外科には手術室6室(今年5月に12室へ増築)が用意されており、一般整形外科医4人と交通事故診療の整形外科医2人が担当しています。一般と交通事故を分けているのは、それぞれ専門が異なるからです。一般整形外科では腹腔、盲腸、ヘルニア、大腸ガン、胆石などの手術が行われますが、緊急時には双方の専門医が協力しあって治療を進めます。

 マゴット・セラピーについてご興味をお持ちの方は下記の連絡先まで、お気軽にお問い合わせください。

——ありがとうございました

301 Moo 6, Sukhumvit Rd., Km. 143 Naklua, Banglamung,
Chonburi 20150
Tel: 038-25-9999 ext. 81 or 1111
Fax: 038-42-7770
URL: www.bangkokpattayahospital.com
E-mail: pornchailim@yahoo.com, bphjpn@bph.co.th(日本語可)
《newsclip》