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タイの潤滑油事情

2008年11月11日(火) 09時04分(タイ時間)

執筆者
Apollo (Thailand) Co., Ltd.
中西 正幸 氏 (President)

 機械の駆動部の摩擦を効果的に軽減し、最大限の能率を引き出すのが潤滑油。産業がすでに成熟した日本や欧米諸国では潤滑油の需要も落ち着いているが、未だ成長が続くタイでは年2—3%といった好調な伸びを示している。この業界でも求められるのが、やはり環境対応タイプ。燃費改善タイプや塩素フリーなど、地球に優しい潤滑油が、タイでも注目され始めている。

 潤滑油は燃料を抽出した後の常圧残油を減圧蒸留して造るベースオイルに各種の添加剤をブレンドしたもの。どのメーカーも成分がほとんど同様のベースオイルを使用するため、添加剤のブレンドによって特徴を出している。

 タイの潤滑油市場は弊社の調査で年間約50万キロリットル。うちおよそ20%は近隣諸国への輸出であることから、国内需要は40万キロリットルと見られる。日本での消費量が年間250万キロリットルなので、市場規模は日本の5—6分の1となろう。

 内訳は自動車用60%、工業用40%。産業が発展途上のため、自動車用が工業用を上回る。タイではさらなる産業の発展と、自動車の売れ行きの伸びに伴い、今後も市場の拡大が見込まれる。

 ちなみに日本での比率は産業が成熟していることにより半々。米国では産業の成熟に加えて日本以上の車社会であるため、タイに似た自動車用60%、工業用40%となっている。

 潤滑油も環境保全の意識が求められる時代となって久しい。弊社グループの出光興産では、自動車用であれば燃費改善タイプ、工業用であれば塩素フリー、オゾン層保護といった、環境対応タイプを開発している。

 自動車のエンジンオイルなど、燃費が改善されれば二酸化炭素の排出量が軽減され、地球温暖化の防止に貢献できるようになる。タイは常夏のため粘度の高い潤滑油が使用されるが、これを日本並みの粘度の低い製品に替えるだけで、燃費の向上につながる。タイ政府が打ち出した政策により、自動車メーカー各社がエコカー開発に乗り出しているが、燃費向上の要になるのが潤滑油だ。

 工業系の場合、タイでは法の未整備により、塩素系物質に頼る製品がかなり多い。そのような状況の中で弊社は、他メーカーに先駆けて塩素フリーの製品の開発・製造に乗り出している。また、工場出荷時に充填される空調機用のコンプレッサー潤滑油では、いち早く代替新冷媒に対応したオイルを開発し、全世界(代替新冷媒対象)で自動車用9割、家庭用・業務用など3—4割のシェアを誇っている。

 原油価格がこのところ下落に転じているが、潤滑油は原料となるベースオイルが高止まりのまま、添加剤の原料も主にナフサであるため、値上げ基調にある。環境対応タイプとなれば、多少とはいえ価格が張るため、表面価格の低い製品がとかく注目されがちだ。

 しかし実際には、塩素を含む廃油は処理コストがかさみ、それなりの出費を強いられる。トータルで評価すると、結局は割高になることが多い。バリューアナライズするなら、その答えは環境対応タイプだ。

 環境対応タイプは日系企業が率先して導入、そして現場ではタイ人スタッフが評価している。タイの潤滑油市場にも、環境保全の意識が浸透してきている。

Apollo (Thailand) Co., Ltd.
住所:Amatanakorn Industrial Estate (Phase 6) 700/623 Moo 4, Bankao, Panthong, Chonburi 20160
電話:0-3845-6900 ファクス:0-3821-0099
Eメール:japan@apollothai.com
ウェブサイト:www.idemitsu.co.jp, www.apollothai.com
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