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タイの切削工具事情

2008年11月19日(水) 00時32分(タイ時間)

Sumitomo Electric Hardmetal Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.
白石 順一 氏 (Managing Director)

 ものづくりに欠かせない切削工具。日本からの輸入製品、日系工具メーカーの現地製品、ローカル製品と、使い手にとって選択肢は幅広い。製造業の発展に伴って拡大する工具市場において、我々日系工具メーカーは日本と同様の品質を維持し、ローカルにはない技術、サービスを駆使することによって、付加価値を見出していかなければならない。もちろん環境対策も不可欠だ。そしてその市場を担っていくのは、日本人駐在員ではなくタイ人スタッフだ。より良い工具を製造することは、より良い人材を育成することにある。

 日系工具メーカーのタイ進出は、まず90年代前半だ。工具調達を日本からの輸入に頼っていた日系各メーカーが、タイでの再研磨、現地調達を求め始めた時期であり、弊社も現地製造の先駆者として94年に設立した。この時期が、日系工具メーカー進出の第1の波といえる。

 第2の波は、2003年前後だろう。IMVプロジェクトに代表されるように、日系自動車メーカーが相次いでタイで協力会社を含めた生産体制を整えることになった。これに合わせて、日本から工具メーカーと機械工具商社が相次いで進出。工具メーカーは2005年ごろまで、売り上げが前年比1.5—2倍といった最盛期を迎えることになる。そして第3の波は、タイ政府主導による2010年始動のエコカー・プロジェクトで訪れると期待している。

 自動車産業の発展に伴って拡大してきた工具市場だが、ハードディスクドライブなどの電子機器、クーラーなどの空調機、農機といった業界の発展にも、大きく影響されている。タイでは電子機器の製造は年10—15%の伸びを示している。

 空調機や農機は常夏の農業国という国柄を表しているといえよう。生活の向上で、クーラーを購入する消費者、手作業から機械に切り替える農業従事者が増えている。このような産業の後ろ盾なしに、タイの工具市場の成長はなかったといえよう。

 日系工具メーカーの強みは品質、納期、価格のバランスにあるが、多様なユーザーニーズに応えPCD(多結晶ダイアモンド)、CBN(立方晶窒化ホウ素)などの素材や最先端のコーティング膜を用い、さらに高精度かつ高性能な工具を提案、タイで製造していかなければならない。

 工具の最先端化は、製造業全体の要望でもある。「最新加工機は日本、既存加工機(中古機)はタイなどの海外拠点へ」というビジネス展開は、すでに過去のもの。どの業界でも、タイに最新加工機を導入し、最先端のものづくりに乗り出している。日本や欧米諸国で経験を積み重ねてきた日系工具メーカーが、実力を発揮しなければならない。

 そして環境対策。欧米でスタートしたCBN工具による「研削リプレス」、切削加工自体が研削加工と比較して、省スペース、省エネ、ドライ加工、切り粉のリサイクルが可能などのメリットが挙げられるのだが、この地球に優しい最新加工技術を、タイでもどんどん提案していく努力が必要だ。

 このような最新技術を駆使した切削加工や環境対策は、いずれは日本に帰ってしまう日本人駐在員ではなく、タイ人スタッフが担うべきだと考えている。自社の社員のみならずユーザーエンジニア育成を支援する「SHTテクニカルセンター」を開設している。切削加工の基礎から応用までの研修、テストカット、技術相談などを実施する機能を持ち、現在はまだ主に日本人スタッフが担当しているライン診断やツーリング提案なども、将来的にはタイ人スタッフができるよう、自社の人材を育てていきたい。より良い工具の製造は、より良い人材の育成に尽きると信じている。

 ASEAN地域最大規模の工作機械・工具・金属加工技術の国際展示会「METALEX 2008」が11月20—23日、バンコク郊外の国際会議場「Bangkok International Trade & Exhibition Center (BITEC)」で開催される。日本の国際工作機械見本市「JIMTOF2008」(10月30日—11月4日)に、住友電工ハードメタル(株)として出展する最新技術の切削工具を、METALEXでもいち早く出展する予定だ(ホール「Hall 101」のブース「B11」)。

Sumitomo Electric Hardmetal Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.

住所:No. 102 Moo 9 (Wellgrow Industrial Estate) Bangna-Trad Road, Bangwua, Bangpakong, Chachoengsao 24180
電話:0-3857-1940?5 ファクス:0-3857-1948?9
Eメール:sht-sales-gr-ml@ml.sei.co.jp (日本人担当:藤原)


ASEAN地域最大規模の工作機械・工具・金属加工技術の国際展示会「METALEX 2008」特集
《newsclip》


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