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タクシン派デモの経緯

2009年4月23日(木) 22時04分(タイ時間)
□3月26日
 タクシン元首相支持派団体「独裁追放民主主義同盟(UDD)」(通称スアデーン=赤シャツ)がバンコクのタイ首相府を2万—3万人で包囲し、アピシット首相に解散総選挙を要求。26日以降も数千人が居座り続ける。

□3月27日
 国外逃亡中のタクシン氏がUDDの集会場にビデオ電話で出演し、タクシン政権(2001—2006年)を追放した2006年9月の軍事クーデターの首謀者として、プミポン国王側近のプレム枢密院議長(元首相、元陸軍司令官)、スラユット枢密顧問官(元首相、元陸軍司令官)、チャーンチャイ枢密顧問官(元最高裁判所長官)、アカラートン最高行政裁判所長官らを名指しで非難。プレム氏が1980—1988年に選挙の洗礼を受けないまま首相に在職したこと、スラユット氏が2006年のクーデターで首相に就任したことなどを挙げ、反タクシン派の正体は「民主主義に抵抗する特権階級勢力」だと主張。

□3月30日
 タクシン氏の呼びかけに応じ、北部チェンマイ、チェンライ、中部アユタヤ、東北部ナコンラチャシマ、ウドンタニなど地方の10以上の都市で、タクシン派が数十、数百人規模の反政府集会を開催。政府はこれを受け、31日の閣議を中止。

□4月3日
 タクシン派がバンコク都内ランナム通りの免税店キングパワーの前で集会を開き、与党民主党への資金援助を止めるよう同社に要求。キングパワーはスワンナプーム空港などで免税店を運営し、昨年12月のアピシット政権発足の際に、当時野党だった民主党に巨額の資金援助を行ったといううわさがある。

□4月6日
 反タクシン派の退役軍人、上院議員らが、タクシン氏をタイに連れ帰れば100万バーツの賞金を出すと発表。

□4月7日
 東部チョンブリ県パタヤ市でアピシット首相が乗った車をタクシン派の市民数十人が取り囲み、車のドアを開けて運転手を引きずり出そうとしたり、ビンやヘルメットなどを投げつけ窓ガラスを割るなどした。車は警護の警官に守られ現場を脱出し、首相は無事だったが、運転手が軽いけがをした。

□4月8日
 タクシン派が地方から支持者を集め、プレム枢密院議長宅を包囲。プレム議長、スラユット枢密顧問官、チャーンチャイ枢密顧問官、アピシット首相に24時間以内に辞任するよう要求。アピシット首相らはこれを拒否。
 同日、チャーンチャイ枢密顧問官(63)の暗殺を企てた容疑で陸軍大尉らタイ人の男4人が逮捕される。

□4月9日
 タクシン派がバンコク都内の交通の要衝である戦勝記念塔ロータリーを封鎖。その後、バンコク都内スクムビット通りやウィパワディランシット通り、ディンデン通りなどの一部も閉鎖。
 反タクシン派とみられる女性が運転する乗用車がプレム議長宅近くでタクシン派のデモ隊に突っ込み、タクシン派の数人をはねて逃走。

□4月10日
 パタヤで東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国などの首脳会議が開幕。麻生首相も訪タイ。会場であるホテル、ロイヤルクリフビーチリゾート近くにタクシン派のデモ隊数百人が集結。

□4月11日
 パタヤでタクシン派のデモ参加者が青シャツのグループに襲撃され、3人が銃で撃たれ負傷。
 ロイヤルクリフビーチホテルにタクシン派のデモ隊が乱入。タイ政府はASEAN関連会議を中止し、パタヤなどチョンブリ県に非常事態宣言を発令。5人以上の集会が禁止され、報道の検閲、建物・地域の使用制限などが行われる。

□4月12日
 パタヤのデモを指揮したタクシン派幹部を警察が逮捕。タクシン派は逮捕者の釈放を求め、バンコクの刑事裁判所、国境警察本部などで集会。
 タイ政府がバンコクなど中部6都県に非常事態宣言を発令。
 タクシン派はアピシット首相が非常事態宣言を発令したバンコクの内務省に乱入、首相の車をこん棒でなぐったり、投石するなどし、首相秘書でベテラン政治家のニポン氏、護衛らが負傷。タクシン派は省庁、テレビ局などにも侵入。
 軍がバンコク都内の数十カ所に装甲車、兵員を配置。
 昨年首相府やスワンナプーム空港を占拠した反タクシン派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」がパタヤのASEAN会議でのデモ対策の失敗をとがめ、ステープ副首相、プラウィット国防相、陸海空軍司令官、警察長官らの解任を要求。

□4月13日
 未明、バンコクのタイ憲法裁判所に手りゅう弾3発が撃ち込まれ、このうち1発が爆発し、警官1人が負傷。
 治安当局が催涙ガスを使用し戦勝記念塔周辺などでデモ隊の強制排除を開始。デモ隊はタンクローリーで道路を封鎖したり、路線バスを乗っ取り燃やすなどして抵抗、治安当局への発砲も。最終的にはデモ隊が逃走。デモ隊の強制排除にともなう死傷者は、政府発表で死者2人、負傷者100人以上。死者の1人はデモに反対する地元男性で、タクシン派にけん銃で撃たれたとみられている。
 タクシン氏は同日、米CNNテレビのインタビューに応じ、「タイ政府が強制排除による死者を隠している」と主張。

□4月14日
 タクシン派幹部のウィーラ元タイ国鉄会長が首相府前で演説、「強制排除でけが人が増える恐れがある」として、集会解散を発表。これを受け参加者は徐々に撤収。幹部の多くは警察に逮捕された。前日から閉店していたデパートなども営業を再開。
 アピシット首相はテレビ演説で、非常事態宣言を当面解除せず、16、17日を官公庁の休日にすると発表。「誰の勝利でも敗北でもないが、平和と秩序が回復したという意味で、社会の勝利といえる」と述べ、タクシン派との和解交渉に乗り出す考えを示唆した。
 タイ刑事裁判所がタクシン氏、ウィーラ氏ら13人に違法集会、交通妨害などで逮捕状。

□4月15日
 タイ政府がタクシン氏の一般旅券(パスポート)を破棄したと発表。タクシン氏は国外滞在中の昨年10月に汚職で禁固2年の実刑判決を受け、12月に外交旅券を破棄されていた。判決以来、タイに帰国していない。
 バンコク都バス公社(BMTA)によると、8—14日にタクシン派に乗っ取られたBMTAと民間業者の路線バスは52台で、このうち23台が燃やされた。他の29台も修理が必要。被害額は4000万バーツに上る見通し。
 タイ保健省によると、13日にバンコクで起きた反政府デモ隊と治安当局の衝突で、2人が死亡、135人が負傷。15日時点で入院中は男性44人、女性1人。

□4月16日
 裁判所がタクシン派幹部36人に対し公共物損壊、不法侵入などで逮捕状を発行。
《newsclip》


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