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タイ首相、来年前半に解散総選挙も

2009年5月1日(金) 14時52分(タイ時間)
【タイ】タイのアピシット首相は4月30日、今後6—8カ月で憲法改正と政治的な安定回復に成功した場合、タクシン元首相派野党が求める解散総選挙に応じる考えを明らかにした。大まかな政治日程・目標を示すことで、タクシン派の動きを抑え、一時的にせよ政治的な安定を得る狙いとみられる。

 ただ、タクシン派は2001年、2005年、2006年(裁判所命令で無効)、2007年と4回連続して総選挙で勝利するなど選挙に強く、早期の解散総選挙はアピシット首相率いる民主党にとって大きな賭け。首相が総選挙をちらつかせて時間を稼ぎ、タクシン派の弱体化を待つ可能性もある。

 首相が本当に解散総選挙に臨むとしたら、市民権停止処分を受けている200人以上の有力政治家への恩赦がカギを握りそうだ。これらの政治家は2007年、 2008年に選挙違反で解党されたタクシン派2党とタクシン派パートナー2党の役員で、タクシン元首相のほか、現在の民主党連立政権発足の立役者であるバンハーン元首相、ネーウィン元首相府相らが含まれる。ほとんどは選挙違反に直接関与していなかったとみられるが、2007年に軍事政権が導入した規定により、解党で5年間の市民権停止処分を受けた。現在のタイ下院は議員の多くがこうした表舞台に出られない有力政治家の代理人で占められ、国会の威信低下、閣僚の人材不足につながっている。

 恩赦自体はタクシン派が言い出したことだが、アピシット首相は党内の反発にも関わらず、これに応じる姿勢だ。というのも、市民権停止中の有力政治家の多くはすでにタクシン派を見限っているとみられ、表舞台に復帰すれば、短中期的にせよ、民主党に協力する可能性が高い。そうなれば、総選挙で民主党を中心とする勢力がタクシン派を破ることも夢ではない。

 過去4年のタイの政争は選挙で選ばれたタクシン派政権が反タクシン派のデモや軍事クーデター、司法判断で政権を失うというパターン。アピシット首相は、場外乱闘に発展した政争を国会内に戻すには民主党が選挙で勝つしかないと見極め、政略を組み立てているようだ。
《newsclip》


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