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タイ連立政権、利権めぐり亀裂?

2009年6月8日(月) 11時06分(タイ時間)
【タイ】昨年末に発足した連立政権の中核である民主党と、パートナーでタクシン元首相派から離反したプームジャイタイ党の亀裂が深まっている。プームジャイタイが推進するバンコクの路線バス4000台のリース計画や農業政策に民主党が待ったをかけているためで、プームジャイタイの幹部が公の場で民主党を批判するなど、事態がエスカレートしている。両党とも現時点でたもとを分かつ考えはなく、水面下で落とし所を探るとみられるが、アピシット首相がプームジャイタイの要求をあくまで突っぱねれば、意外に早い段階で解散総選挙に突入する可能性もある。

 プームジャイタイは東北地方が地盤のネーウィン元首相府相、北部のソムサック元労相らが中心。大手ゼネコン、シノタイ創業者のチャワラット党首など幹部には実業家も多く、「地盤」と「カバン」がそろった格好だ。ただ、幹部の多くは利益誘導型のイメージが強く、路線バス計画について私立アサンプション大学(ABAC)が行った世論調査では、78%が「不正を疑う」と回答した。

 プームジャイタイは「灰色政策」の推進に向け民主党に圧力をかける一方、次の総選挙で第1党を目指すと公言し、古巣のタクシン派野党、プアタイ党からの下院議員引き抜き、同党の地盤蚕食に力を入れている。6月6日には東北地方を訪れたチャワラット党首にプアタイのジュムポット下院議員が面会。ジュムポット議員はプームジャイタイへの移籍を発表して、記者団の前でランニング1枚となり、渡されたプームジャイタイのシャツに着替えた。

 プアタイ幹部のアピワン下院議長は同日、党所属の下院議員5—10人がプームジャイタイに移籍する可能性があることを認めた。

 タクシン派は2005年の総選挙で下院議席の7割以上を獲得したが、2006年のクーデターや2度にわたる解党処分で党勢が衰え、同派の3代目政党であるプアタイは下院(定数480)議席数が187まで落ち込んでいる。実質的な党首のタクシン氏は700億バーツ(約2000億円)を超える国内資産を不正蓄財容疑で凍結された上、昨年、汚職で禁固2年の有罪判決を受け、国外逃亡中で、政権復帰は困難とみられている。

〈タイ下院(定数480)の政党議席数(5月29日時点)〉
プアタイ187、民主173、プームジャイタイ32、プアペンディン32、チャートタイパタナー25、ルアムジャイタイチャートパタナー9、プラチャーラート8、キットサンコム5、マートゥプーム3
《newsclip》


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