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タイ深南部のモスクで乱射、11人死亡

2009年6月9日(火) 10時24分(タイ時間)
【タイ】8日午後8時ごろ、タイ深南部ナラティワート県のモスクで発砲事件があり、イスラム教徒の男性11人が死亡、12人が重軽傷を負った。裏口から忍び込んだ数人の男がモスク内で軍用ライフルを乱射したもよう。事件当時、モスク内にはイスラム教徒の男性約50人がいた。タイ国営テレビ局チャンネル9などが報じた。

 タイ深南部では2001年からマレー系イスラム過激派によるテロが激化し、2004年1月から昨年末までに、一般市民や警官、兵士、過激派メンバーなど合わせて約3500人が死亡した。今月5—7日にも爆破、銃撃テロが相次ぎ、兵士、教師ら少なくとも10人が死亡した。

 しかし、今回の事件はモスクでイスラム教徒が射殺され、イスラム過激派の犯行とは考え難い。5—7日の連続テロについても、与党民主党所属でナラティワート県選出のイスラム教徒の下院議員が過激派のテロではない可能性を指摘しており、中央政界絡みの犯行という見方も浮上している。

〈タイ深南部〉
 ナラティワート、ヤラー、パタニーの深南部3県には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、約100年前にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域となっている。行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 タイからの独立を目指すイスラム教徒住民の武装闘争は断続的に続き、タクシン政権が発足した2001年から活発化した。警察派出所が襲われ一晩で警官十数人が殺害されるなど、2003年までに数百人の死者が出たが、政府は「山賊の仕業」として、独立運動の存在を認めていなかった。
 2004年1月に軍の武器庫が襲撃され、兵士4人が死亡、大量の兵器が強奪される事件が起き、これを機に「山賊」は「テロリスト」となった。同年4月には、警察派出所や軍駐屯地を同時襲撃したイスラム過激派を治安当局が迎え撃ち、1日で過激派108人、治安当局側5人が死亡した。10月にはナラティワート県タークバイ郡のイスラム教徒住民3000人が警察署前で抗議デモを起こし、約1000人が逮捕され、治安当局による発砲などで7人が死亡、逮捕された住民のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。
 両事件後、過激派はテロの標的を兵士、警官から教員、一般市民に広げ、一方、治安当局の関与が疑われるイスラム教徒住民の殺害・失そうも増えた。
《newsclip》


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