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世界遺産争奪戦 タイ、カンボジア国境が三度緊張

2009年6月21日(日) 14時31分(タイ時間)
【タイ、カンボジア】タイとカンボジアの国境係争地域にある山上遺跡プレアビヒアが昨年カンボジアの世界遺産に登録されたことにタイ政府が異議を唱え、タイとカンボジアの関係が再び悪化している。両国はプレアビヒア周辺で兵力を増強中と報じられ、昨年10月、今年4月に続き、再度武力衝突する可能性が出てきた。

 タイのアピシット首相はカンボジア訪問後すぐの6月17日、プレアビヒアがカンボジア単独の世界遺産とされたことがタイとカンボジアの関係悪化を招いたとして、両国の共同世界遺産に変更するよう、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に働きかける方針を明らかにした。これに対しカンボジア側は「首脳会談の際にはなかった話で、はなはだ遺憾」(フン・セン首相)、「すでに2度(交戦が)あったが、3度目をやるつもりなら受けて立つ」(ハオ・ナムホン副首相兼外相)と強い不快感を示した。タイ側は「異議申し立ては世界遺産委員会とユネスコに対してで、カンボジアにではない」(カシット外相)と弁明、6月下旬にステープ副首相がカンボジアを訪れ、タイ政府の立場を説明するとしている。

 タイがこの問題を蒸し返した真意は不明だが、プレアビヒアの一部があるタイのシーサケート県では6月28日に下院補選があり、連立与党とタクシン元首相派野党が激しい選挙戦を展開している。

〈プレアビヒア〉
 カンボジアのクメール王国が11—12世紀に建立したとされるヒンドゥー寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっている。タイのタクシン元首相派サマック政権は昨年、カンボジアによるプレアビヒアの世界遺産登録申請を支持する共同コミュニケに調印したが、保守勢力の猛反発を受けた上、憲法裁判所に違憲とされ、撤回。カンボジアはタイの支持を得ないままプレアビヒアを世界遺産に申請し、昨年7月、登録された。これをきっかけに昨年10月と今年4月、プレアビヒア周辺で両国軍が交戦し、双方の兵士数人が死亡した。
 タイは文化や言語の相当部分をカンボジアから輸入したが、現在は国力が衰えたカンボジアを見下す傾向が強い。カンボジアではタイ側の優越感に対する反感が強く、2003年にはタイ人女優が「アンコールワットはタイのもの」と発言したという報道をきっかけに、大規模な反タイ暴動が起き、プノンペンのタイ大使館やタイ企業のオフィスが焼き打ちに遭うなどした。
《newsclip》


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