ティプコ・フーズ CEO/ダイレクター
ティプコF&B CEO/ダイレクター
Mr.Viwat Limsakdakul
CEO/Director
TIPCO Foods (Thailand) Public Co.,Ltd.
TIPCO F&B Co.,Ltd.
タイはパイナップル輸出に競争力があり、パイナップル製品を主軸とするティプコは多くの可能性を秘めた企業だと判断し、最高経営責任者(CEO)を引き受けた。しかし1997年の経済危機で8億バーツという多額の負債を抱えていたため、まずは黒字化の達成を目指した。社の潜在性を引き出して最善の事業戦略を採れば、8億バーツは3年で完済できると見込んだ。幸い当社の事業には果汁飲料などマーケティング強化で増収を期待できる分野が多く、業界のリーディング企業へと成長した。
主な事業
当社の事業は以下に大別できる。
1:果汁飲料、シリアル飲料、ミネラルウォーターの生産・販売。
2:パイナップル/ミックスフルーツ/アロエベラの缶詰/冷凍製品の生産・販売。
3:スムージージュースバー、フルーツバーの経営。フード業、ケータリング、ハーブ加工業とプランテーション農業。
4:南部プラチュアブキリカン県に960ヘクタールの農園/R&Dセンター/抽出工場/果樹園を所有。栽培、生産、研究開発を行う。
ミネラルウォーター(ブランド名「オーラ」)は北部チェンマイ県の冷鉱泉で、同県メーリム郡に充填工場を構えている。年産能力は4000万本。市場シェアは20%。パイナップル製品は缶詰と濃縮果汁缶を輸出用に生産。輸出先はEU、アメリカ、中東にそれぞれ3割ずつ。輸出は当社の総売上高の50%に達する。また、ジュースバーはフランチャイズ形式で、バンコクを中心に全国42店舗を展開している。
サントリーと資本提携
当社は約2年の交渉を経て、2007年10月にサントリーと資本提携を結んだ。当社ティプコF&B所有株式の50%に当たる3000万株をサントリーに1株33.3バーツで売却、12億バーツを投じて中部アユタヤ県ワンノイ郡に果汁飲料の新工場を設立した。年産能力は1億2000万リットル。両社の製品を国内と東南アジアの市場に売り込む。2009年は茶/コーヒー飲料ほか5種類の新製品を発売する計画だ。ブランド名は、果汁/シリアル飲料、ミネラルウォーターは「ティプコ」で、茶/コーヒー飲料は「サントリー」を使用することで合意した。
これまでの約15年間、当社はプラチュアブキリカンの旧工場を生産拠点としていたが、輸送拠点のレムチャバン港とは300キロ離れていた。一方、アユタヤの新工場はレムチャバン港まで70キロと近く、輸送コストの大幅削減となる。
タイと東南アジアの果汁飲料市場戦略は当社側が担当している。今年、新工場で生産したのは「サントリー・ダカラ(無添加、無着色)」と「ティプコ・スーパースター」(共に300ミリリットル入り18バーツ、2008年11月発売)。ダカラは「脂質、砂糖、食塩ゼロのカラダ・バランス飲料」と銘打ち、日本でも人気の機能性飲料だ。現代人の食生活を考慮し、食物繊維、カルシウム、マグネシウムなどを配合した。ターゲットはドリンクにも機能性を求める30歳未満の男女だ。機能性飲料の市場規模は年間約5000万リットル(約6億バーツ)。国内市場には現在シェアトップの「アミノ・オーケー」や「ビーイング」など数種あるが、ダカラほど多機能を備えた製品はまだない。当社はこの製品で市場上位獲得を目指している。
スーパースターはコラーゲン、食物繊維、葉酸、ビタミンC、ビタミンB12を配合した機能性飲料だ。高抗酸化物質を含むアセロラ・チェリー果汁入りとザクロ果汁入りの2種類がある。美肌やプロポーション管理、また記憶力向上に関心の高い30歳未満の女性をターゲットにしている。年間売上目標は5億バーツ。
新工場の充填ラインには低温無菌充填システムを導入、容器や液体を40度で低温殺菌する。防腐剤を添加することなく、6—9カ月間品質を維持することができる。一般的な高温殺菌(90度)と比較すると、低温殺菌は生産効率が高く、品質保持期間も長い。
果汁飲料市場の競合事情
タイの果汁飲料の市場規模は年間約70億バーツ。そのうち果汁100%は約30億バーツで、当社はシェア50%で首位に立っている。
2007年のグループ総売上高は52億3820万バーツ、2008年は第3四半期までに40億587万バーツを売り上げた。例年10—11月にかけては新年の贈答品需要で消費が上向く。今年は不況で消費が落ち込み、当社の売上高も前年同期比で10—15%減少したが、通年では15—18%増を見込んでいる。
2009年は不況が続き市場拡大は10%に留まるだろう。当社も成長率8—10%を維持するのに苦戦を強いられそうだ。市場戦略は東南アジア、特にフィリピン、インドネシア、ベトナムの開拓に重点を置く。
当社は独自の製品開発力と品質で、今後も東南アジアで広く信頼を築いていく。従業員数はグループ全体で700人を超えるが、不況のさなかでも人員は削減しない方針だ。
将来的にプラチュアブキリカンのハーブ農園を拡大し、インスタント食品やハーブ飲料、化粧品など新事業への進出を計画している。新たなハーブの研究や商品開発には日系企業との共同開発を希望している。食品産業への進出を計画している企業は、ぜひ私宛てに電話かEメール(viwat@tipco.net)で問い合わせていただきたい。
経歴
タイの私立アサンプション大学(ABAC)マーケティング学科・金融学科卒業後、米オクラホマ州立大学で経営学修士(MBA)を取得。財務省、ABACマーケティング・マネジャー、IBM(タイランド)、サイアム・メディア社金融部門副社長などを経て、1998年にタイ証券取引所(SET)上場の果汁飲料最大手ティプコ・フーズとティプコF&B社の最高経営責任者(CEO)に就任。
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