RSS

高周波熱処理装置(誘導加熱装置)

2009年6月29日(月) 17時07分(タイ時間)

Kosyusha Machine Co., Ltd.
奥澤俊夫 氏 (代表取締役)
AXXEL ENGINEERING Co., Ltd.
東條 洋一氏 (代表取締役)

いよいよ現調化の時代、タイで導入・メンテが可能に

 日本の品質・メンテを絶対とする高周波熱処理装置も、いよいよタイ現調化の時代が訪れた。日本から輸入し、トラブルの際は日本から技術者を呼び寄せ、加熱コイルの修理も日本まで送り、その間ラインを止めないよう高価なストックを抱えておく……。このような長年の問題が一切解決されることになる。いくら達成しても、さらなる要求が続くコストダウン。ラインの中でも特に高価な高周波熱処理装置の現調化は、まさに経営改善の要となろう。

ニッチで隙間産業な高周波熱処理

 鉄の表面を加熱・冷却して強度を変化させるのが熱処理で、その熱を電磁誘導により発生させるのが誘導加熱装置。クッキングヒーターなど一般家庭でよく使うIH調理器の「IH」が誘導加熱(Induction
Heating)の意味で、日常生活に馴染み深い技術だ。高周波熱処理装置はその誘導加熱装置の一種で、熱を高周波の電気で発生させて、部品を熱処理する。

 この技術が一気に普及したのは、1980年代初頭。自動車の駆動方式がFRからFFに移り、パワステが開発され、軽量化が図られてさらなる馬力が求められるようになったころだ。より軽量でより強度のある部品が求められるようになり、高周波焼き入れによる鉄製部品が急増した。本来は欧米諸国で生まれた技術だが、現在は日本がトップレベルの技術を誇り、欧米車も日本製の高周波熱処理装置を利用している。

 高周波熱処理装置は、まさにニッチで隙間産業といえる。ほとんどが専用設計のオーダーメイドで標準化が難しく、市場規模も日本で年間200億円ほど。そのため大手といわれるメーカーにとっては荷が重く、日本で同装置を製造している上場企業は2社のみ、ほとんどは中小メーカーだ。一方、高周波熱処理は自動車や家電にとどまらずさまざまな業界が必要とする技術であり、需要は多い。単品処理なのでラインに組み込むことが容易、またエネルギー源が電気のみで環境保全にも貢献、といったメリットがある。

安定した製造には技術的サポートが不可欠

 タイ進出の日系メーカーが高周波熱処理装置の導入からメンテまでをほとんど日本に頼っているのは、まず装置自体が日本レベルの最高品質が保証されていなければならないからだ。高周波熱処理によって作られる部品は外観による品質の評価が不可能。そのため、設備への絶対的な信頼性が求められる。

 設備そのものもインバータやサイリスタといったメンテに電気的な専門知識を必要とする機器が中心。一連の設備を安心して量産に使用するためには現地でのメーカーの技術的サポートが本来不可欠だ。製品の品質を維持するために、装置の状態を良好に保つだけでなく、素材や付帯設備なども含めたトータルな管理・監視技術も、ユーザーには要求される。日本から輸入した設備を使用中のユーザーは故障の際に高い費用をかけ技術者を呼び寄せたり、その間機械を停めたりと、メンテに相当なコストを費やしているのが現状だ。

 このように、一部の部品生産には不可欠となったこの高周波熱処理。タイの量産現場では、問題と不安を多く抱えた工程でもあったのだ。

タイで購入・メンテ依頼

 こうした状況も今後は改善されることになろう。日本の誘導加熱装置メーカーの「ケイディケイ」が、タイのインバーターメーカーとの合弁により、タイ国内で唯一、高周波熱処理装置の製造に乗り出し、メンテ体制を整えた。日本の品質で日本より安く、メンテも迅速だ。

 このような現調化は特にタイの製造業にとって重要だ。人件費が安い分だけ、素材費や設備費用が経営的な幅を占める。設備絡みのロスが軽減されることは、実感値を超えた経営改善につながることになる。
タイで製造を開始して1年、23台をすでに製作・納入した。タイだけではなく、ベトナム、インドネシア、そして日本への逆輸入も達成。その中には、最高レベルの技術が求められる一体型クランクシャフト用のピン・ジャーナル焼入装置を納入した大手ユーザーの実績も含まれる。タイでは不景気でコスト低減が急務となっており、折からの円高の影響もあって、高周波熱処理をこれまでのアウトイソーシングから内製へと切り替え、設備の購入・メンテも現地へと切り替えを検討するメーカーが増えてきている。

 誘導過熱の「誘導」は正式には電気誘導と呼ばれる。学校で習った「フレミング右手の法則」そのものだ。大昔の技術でありながら、発展と応用は今後も続くだろう。現時点では取って代わる技術は生まれておらず、誘導加熱は21世紀の技術ともいえる。

設備製造:
Kosyusha Machine Co., Ltd.

販売代理店:
AXXEL ENGINEERING CO., LTD.
電話:0-2683-1722~5
ファクス:0-2683-1726
Eメール:y-tojo@axxel.co.th
《newsclip》


新着PR情報