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空港占拠のPADが首相ら逆告訴、タイ刑事裁が訴え却下

2009年7月14日(火) 18時27分(タイ時間)
【タイ】昨年11、12月にバンコクの2空港を占拠した反タクシン元首相派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」の幹部、支持者ら36人がテロ容疑などで取り調べを受けていることを不服とし、アピシット首相とステープ副首相、パチャラワート警察長官を権力乱用で告訴した問題で、タイ刑事裁判所は14日、訴えを却下した。

 一方、検察は14日、昨年8月から12月まで続いたPADによる首相府占拠について、同日予定していたPAD幹部9人の起訴を延期した。30日間、追加の捜査を行うという。

 PADは2005年から2008年にかけ、街頭デモや首相官邸にあたる首相府、スワンナプーム空港などの占拠でタクシン派政権を窮地に追い込んだ。昨年末に反タクシン派の後押しで発足した現政権にとって、PADはかつての盟友だが、空港占拠などを訴追せずに放置すれば、国内外に示しがつかず、タクシン派から「ダブルスタンダード」と批判を浴びることになる。一方、PAD幹部はタクシン派追放の裏事情に精通しているとみられ、あまり追い詰めると極秘情報が流出する恐れがある。こうした状況から、政府、司法は捜査、裁判をなるべく遅らせ、結論を先送りするとみられている。

〈民主主義のための市民同盟(PAD)〉
タクシン政権当時(2001—2006年)の2005年に実業家のソンティ氏が設立。タクシン氏の王室への不敬、汚職疑惑などを追及し、2006年に数万人規模の街頭デモをバンコクで連続開催、政治機能を麻ひさせ、同年9月の軍事クーデターによるタクシン政権追放を呼び込んだ。2007年末の総選挙でタクシン派が政権に復帰したことから活動を再開し、2008年8月から年末まで首相官邸にあたるタイ首相府を数千人で占拠。11月下旬からはバンコクの2空港も占拠し、タイの空路交通を遮断した。空港占拠中に憲法裁判所がタクシン派与党を解党、政権が野党民主党に移ったことから活動を停止したが、今年6月に「新政治党」を政党登録し、表舞台への復帰に動き始めている。PADはタクシン氏の権力拡大を危ぐした伝統的な権力層、民営化を嫌う国営企業労組、タクシン氏に私怨を抱く実業家らの寄り合い所帯とみられる。タイ王室の支持を受けていると主張し、シンボルカラーはプミポン国王の誕生日の色である黄色。昨年10月にPADのデモ隊が国会議事堂周辺で警官隊と衝突し、メンバーの女性が死亡した際には、シリキット王妃が葬儀を主宰した。
《newsclip》


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